早気と羞恥と射癖 (投稿10件)[1〜10]


1:焼き菓子さん
私は高校二年生で弓道をやっています。
弓道を始めたのは高校に入ってからだったのですが、一年生の秋頃から会がもてなくなりました。
先生からは「会の無い射は弓道ではない」というわれショックを受け、必死になって直し始め、二年の夏ごろになり何とか会を持てるようになりました。的中も安定するようになりました。

しかし、最近になって自分が会を持っている射は一通りの射だけ(表現難しいです)と言うことに気がつきました。
私の高校では、結構射形を重視しているため、お互いに見合ったり教えあったりと言うことが日常的にされているのです。しかし、部員から射癖について指摘されて直そうとして少しでも射が変わると、会がもてなくなってしまいました。

また、射を変えながら会を持とうとすると震えが止まらず、その震えを見られるのが恥ずかしくなってしまうらしく、すぐに離してしまうということが良くあります。

じぶんが会が持てる射形はそれほど下手な射形だとは思っていないのですが、当然直すべき点はあるので、困っています。

私と同じような経験をされた方はいらっしゃいますか?また乗り越えることができた方がいたら意見が聞いてみたいです。
長々とすみませんでした。

2:Y.K.さん
早気の羞恥。よくわかります。
自分も大三で放してしまうようなヒドイ有様でしたので、その姿を見られるのがとてもつらかったです。引いている最中にすごく心臓がドキドキしてしまうんですよね。引き分けの時の異常な緊張感(アガリに似ている)に耐え切れず、つい取りかけがポロッと。
自意識過剰じゃね??って言われても仕方ないのはわかっていますが、正直しんどいものはしんどいですよと。
とりあえず、ここを読めばちょっと気が楽になりますよ。自分は早気と自意識過剰を兼ね備えた人間ですので、ここ読んでたらけっこう楽になりました。(べつに焼き菓子さんのことを自意識過剰って決め付けているわけじゃないですからね。怒らないでくださいね)
http://d.hatena.ne.jp/amiyoshida/20050607/1118124958

3:Y.K.さん
さて、
>自分が会を持っている射は一通りの射だけ
>少しでも射が変わると、会がもてなく…
>射を変えながら会を持とうとすると震えが止まらず、
文面から察するに、焼き菓子さんの早気は射に何らかの技術的欠陥があるなっていうのは容易に想像ができました。
自分のときと一緒ですよ。気づかないうちに「会が持てない引き方」になってしまったのです。
そして、治療ができないことがわかると、その危機感から段々ナーバスになってきて、イップス症状が後から現れたのです。
焼き菓子さんもそうではありませんでしたか?

この場合に必要なのは『自信を持つ』ってことです。自分の早気が治ると確信を持つことができれば、イップス症状も勝手に消滅してくれます。
「会が持てない引き方」を治しましょう。それが最優先課題であり、根治療法でもあります。

ではまず、『会が持てるというただ一通りの射とは、どのような引き方なのか』を教えていただけますか?それをベースにして改善案をアドバイスできるかもしれません。
その射の内容をうまく表現できないのでしたら、
・最初の早気からどのようにして治したらその射にたどりついたのか。
・会が持てる射の何が悪いと指摘されるのか。それをどう直せと言われるのか。
このあたりを書き込んでくれませんか?

4:焼き菓子さん
返信ありがとうございます。
いまの私の射は具体的には
・力が入って固まっている
・会で伸びがない
・馬手肩が大三から抜け気味
・馬手が少し前に倒れる

と言った感じです。特に馬手関係を直そうとすると会がもてなくなります。
また、会が持てる射をするときは、うちおこしのときから会を5秒もつことに集中しています。

5:Y.K.さん
もうすこし質問させてください。

>力が入って固まっている
射法八節のどの段階から固まっていると言われるのでしょうか?大三以降ですでにガチガチになっていますか?また、力が入るのは体のどの部分でしょう?おそらく肘から手先にかけての上腕部ではないかと思うんですが…
>馬手関係を直そうとすると会がもてなく…
具体的にどうやって直しているのかを教えてください。もしかしたら、その直す方法に何か問題があるかもしれません。

6:焼き菓子さん
引き続き返信ありがとうございます。
力が入っていると言われるのは大三以降です、特に会では結構力が入っていると言われます。

馬手を直すというのは、少し前に倒れるのを直すため、大三〜引き分けで体に寄せながらひねって起こそうとしています。
ただ、馬手肩がはまったことが一度もありません。

7:蘇山さん [url]
横から失礼します。

>・力が入って固まっている
>・会で伸びがない
>・馬手肩が大三から抜け気味
>・馬手が少し前に倒れる

自分も数日前まで同じ様な原因で会で震えてしまって悩んでいました。

今は殆ど震えなくなったので参考までに自分が取った方法を書き込んでおきます。

まず第一に三重十文字が崩れていないこと(胴造りをしっかりとやる)
次に引き分けから会で背中を使う事を意識して引くこと(肩甲骨を寄せるようなイメージで引く)
最後に会の状態でも肩甲骨を寄せ続けること(これは自分が緩み離れだからということもありますが)です。

ちなみにゴム弓で練習したほうが感覚は掴み易いですよ。

8:Y.K.さん
それでは自分の方からも、対処法について再度アドバイスしてみたいと思います。
(先日は祝いの席でお酒が入っておりました故、返信できませんでした。ご容赦ください)

>力が入っていると言われるのは大三以降です、特に会では結構力が入っていると言われます。
もしかしたら肘から手先までの筋肉のみに頼った引き方をしているのではないかなと思ったのです。
いかがでしょう?震えや早気を押さえ込むために弓弦を握り締めている状態ではありませんか?もしそうだとしたら、引き分け・会でガチガチになるのは仕方のないことです。
「会が持てない引き方」とは、体の末端部である手先のみ(特に帽子を支えるただ一本の添え指(!!))に局所的に弓力の負荷がかけられている状態です。本来は全身で弓を受け止めなければならないのに、それができなくて両手指だけで弓弦の張りを支えなければならないという、非常に過酷な状態です。
会に入れなくて引き分けの途中で放してしまう人を見たことはありませんか?そしてその人は、引き分けが妙にゆっくりではありませんか?体の末端部に弓力の負荷が集中してしまうために引き分け途中で想像を絶する恐ろしいパワーロスが起こって、最後まで引ききることができないのです。

対処法ですが、>>7で蘇山さんが説明なさっている方法がとてもよいと思います。
つまり、体の弱い部分である末端部のみに頼らず、体の頑丈な部分である幹の部分を使うのです。手ではなく、肘や背中や腰などの体の中心部を使う練習をしましょう。
慣れてくれば、弓力の負担が末端部から体の中心部に分散されるようになるので、震えも止まり会もすこしずつ伸びるようになるでしょう。

ひねりというものは大三を取った時すでに入っているものということを忘れていませんか?大三ではわきの下から肘先まで壁を作るように張り上げるのですよ。こうすることで右肩もよく入り、手首の力みも抜けるようになるでしょう。
>馬手を直すというのは、少し前に倒れるのを直すため、大三〜引き分けで体に寄せながらひねって起こそうとしています
大三が体から遠すぎるのではないでしょうか?大三の位置取り,肘の張り上げ方,前腕部のアーチの作り方が良ければ、以後の引き分けでは肘をしぼるだけで真っ直ぐ馬手を起こすことができます。ムリに右手をねじるときよりも末端部の負担は減ります。

そして見逃してはいけないのが「つまみ引き」です。
例えば取りかけで帽子先端を添え指関節で押さえていないときは、指先で帽子をつまんでいる状態になるわけです。よほど握力がない限りはこの引き方で会を持つことはできないのではないでしょうか。
引いている最中に指が疲れない取りかけ方法、引いている最中に取りかけ指が外れないような取りかけ・ひねり方法というものをぜひ考えてみてください。これも末端部の負担を減らすために必要です。


以上、とんでもなく長くなってしまいましたが、自分の経験も踏まえて述べてみました。
実際に改善できるまで数ヶ月はかかるかもしれません。すぐにできるようになるとは思わないでください。
わからないところがあれば遠慮なく質問してくださいね。それでは失礼します。

9:深翠さん
大三から馬手の肘先を背中側に回すように引き下ろせば馬手肩は抜け、その分引き尺も短くなります。
ここから更に引き分けようとすれば肩を支点に手先で弦を引くしかないので、当然馬手が前に倒れるように出て来ます。

弓を肱(肘先から拳一つ分手首よりの腕)で引くといいですよ。

教本末尾の大三の挿絵を見て下さい。
弓手の手先が顔より前に位置して、矢先から馬手の肱までが一直線になっています。
注釈には「矢の筈がここまである気持ちにて右肘にて(手首ではなく)弦を引く。」と記載してます

この肱まで想定した矢を曲げずに矢線の後ろへ後ろへと、肱で引き抜くように引き分ければ肩は抜けません。
簡単に言えば「大三からの引き分けは矢線にそって肱を引く」です。
大三で馬手の肩の力を抜いたまま引き分ければ更に肩は抜けなくなります。

ところで引き分けが辛くなる原因ですが、大三で馬手先を頭上高く上げていませんか?
大三で馬手を頭上高く上げるとそれに添って弓手の肩が起き上がります。
縦に起き上がった肩を横に伏せるのですから弓手の肩には相当な負担が懸かります。
(会で弓手の肩が上がるのもこれが原因です)

これから察すれば弓手の肩が予め的方向に傾斜していれば、力はそれほど必要とはしないのが分かります。

そのため大三では弓手の手先を顔より前に位置し、肩を斜めに伸ばして構えること

これが引き分けを楽にする最も簡単な方法です。

10:深翠さん
すみません2箇所間違えました

>弓手の手先が顔より前に位置して、矢先から馬手の肱までが一直線になっています
正しくは
「馬手の手先が顔より前に位置して、矢先から馬手の肱までが一直線になっています」


>そのため大三では弓手の手先を顔より前に位置し、肩を斜めに伸ばして構えること

正しくは「大三では馬手の手先を顔より前に位置し、弓手の肩を斜めに伸ばして構えること」

引き方を漠然と真似するのではなく、要所要所で教本の絵と同じ位置、同じ軌道を真似するといいですよ


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