平行にならない (投稿9件)[1〜9]


1:グーさん
ゴム弓では大三・引き分けともに意識せずとも平行を保てるのですが、弓となると大三を長くとっているとだんだんと勝手が下に落ちてきて、上指しのような感じで、大三でさほど間をおかずに引き分けに入っても、どうしても上指し気味に引き分けてしまいます。

私は平付けが長い間直っておらず引き分けは会に近づくにつれて勝手を捻りやすくなるのでその時点、といっても会の直前あたりですが、きちんと引けている気がします。
では大三からきちんと捻っていればいいのでは、と思うのですが、これが上手くいかないのです。捻って勝手の甲を上に向けようとしてもほとんど捻れず、無理に捻ればつられて弓も反時計回りに傾いてしまいます。
そこで先輩の残していかれたカケをしてひいてみたところ自分のカケよりもかなり捻れました。そこで失礼ながらカケを買わせていただいた弓具店のカケ師の方に相談してみたところ、それといった欠陥は見当たらないし、自分の平付け(ほとんど捻れていません、五分の一程です。)を見ていただいたところ、それくらいでも大丈夫だとのことでした。
また、10年以上前の先輩の方によれば捻りは離れのときに戻さないといけないし、恐怖心から捻ろうとするだけだからほとんどいらないものだ、とのことで、原因はこれではないのかもしれない・・・と思ったりしています。しかし、捻れたときにきちんとひけているのは事実なのですし、自分は捻りはいるとも思います。
また、大三に入る受け渡しで、最近なぜか親指が上を向いてしまい、離れも上手くいきませんし、方向的にはこれも原因といえるのではないでしょうか。こうなる前も平行にはできませんでしたが。

これについて皆さんのご意見をお聞かせください、お願いいたします。

2:でんきちさん
拝啓、グー様。
色々なお悩みに翻弄され、さぞかし迷い悩み、それでもゴム引きの原点回帰・イメージトレーニングする姿勢・・・。小生その涙ぐましい努力の数々、小生、涙ながら拝見させて頂きました。グー様に罪はありません。
小生、読んでいて、其の先輩方はしっかりと後輩を指導し、「伝承」・「継承」する事で後輩を、そして部活を育て様としていたのか疑問を感じます。文章に御座いました、

>10年以上前の先輩の方によれば捻りは離れのときに戻さないといけないし

10年以上じゃ、恐らく是を書いてる小生と同じ年であります。捻りは、和・堅帽子問わず必ず、最期まで離れまで必要です。
「会」において流派は、様々ありましょうが、

■弓手・・・弓手肘時計回りに肘入れ。1/4弱か、関節固ければ1/3程度旋廻。
■弓手押手手の内・・・弓を床に対し垂直にするために角見・虎口・上押しが必要。
■馬手・・・腕の長さ、骨格によれども、仰角60度くらいの捻り起こしを、馬手肘先端側から見て反時計回り。

上記の条件が会で全て完遂され、いわば
「体の的に向かう一線上で己の体が「雑巾絞り」されて一芯で矢を一線軸上で離れをするから、意味がある」ものを・・・。これは基本中の基本であります。

捻りを忘れれば、若しくは後輩に継承され無ければ、「片手平付けの馬手」、若しくは「たぐり馬手」それらに、さいなまれる後輩が出るのは言うまでもありません。そのたぐり馬手や、平付けで、三重十文字さえ崩すのです。その先輩の神経を小生疑います!!
更に、
■和帽子で弓を始めた者は、弓手は弓の反力、馬手は親指に弦の食い込む痛み・重みを感じ、物見を入れても弦の重みを感じるから、馬手が何処にあるか意識しやすく、射形を体得しやすいのです。
■堅帽子でイキナリ始めた者は、帽子の角が全て弦の重みを受け、物見入れたら初心者は、己の馬手の意識なんて体得出来ません。いわば、馬手の親指と手首に麻酔注射打って感覚が無いのと同じ。

ですが、そんな環境の中、我を忘れず冷静に成り、己を見据え、捻りは必要と認識した貴殿:グー様には鋭い洞察力があります。

■捻りは取懸け時に、矢・弦・帽子の中心線を全てが十文字になる、直角に成るように取懸け、馬手前腕を使って少々シャフトを安定させるように捻ります。全ての捻りはここから始まります。帽子も弦に対して直角に、そして捻る。
■打起し〜大三にかけ己の馬手前腕・上腕を正面に見せるように少々捻り、肩を中心点に上腕部を使って、引分けながら最終的捻りを完成させます。但し、堅帽子では、構造上によっては手の甲を天井に向ける事は出来ません。和帽子は自分の捻りたいだけ起こせるので、会で馬手の手の甲が天井に向きやすいのです。

思わず感情的に成ってしまいましたが、馬手の修練、御健闘御祈り申し上げます。

敬具。

3:m@sterさん
弦をひねる動作というのは、殊更する必要はないと思います。曲った弦からまっすぐ矢が飛び出ることはない感じがします。
 そもそも弦を捻る形は、それによりストッパーをかけるということにあります。この力は手首ではなく、腕によって引き起こされるものです。手首に力を入れないと弦を曲げるほどの捻りはかかりません。逆にいえば、手の力をぬき、腕、肘中心で引けていれば弦は曲らないのです。
 このようなことより、自分は捻りは最初のとりかけなどからの肘の張りのみで十分と考えます。
 手首で捻ると引きやすいのは、手主体で引くようになるからだと思います。肘で引くより手で引くほうが引きやすいに決まってます。しかし、これでは、他の癖を引き起こすと思います。読みにくい文で失礼致しました。

4:m@sterさん
 先程の文で、殊更捻る必要がないといったのは、平付けでいいといっているわけではなく、その捻りの度合いをいったものです。また、自分の中での感覚ですので、人によっては、捻りを加える意識があったほうがいいといわれる方もおられるはずです。
 また、個人的に捻りを戻すのは良くないとは思いますが、流派によって相違もありますのでなんともいえません。
 最後に、誤解を生むような、またでんきち様の書き込みの直後に、あのような表現をした事をお詫び申し上げます。

5:グーさん
でんきち様、熱い長文どうもありがとうございます。
また、m@ster様もご返信ありがとうございます。
また質問で返して申し訳ないのですが、実際にきちんと下弦がとれ、弦を捻れていても、実際に弦が曲がっているのは離れの直前ですし、矢を番えている直下の部分のはずですが、なぜまっすぐ矢が飛び出ることはない感じがしないのですか?
自分は捻りによって弦がより体を離れて飛ぶというのもここから来ているように想像しているのですが。


また、弓手・勝手ともに意識できるように鏡を見ながら大三で保っていても段々と勝手は下がってきてしまうのですが、なぜなのでしょうか?

6:m@sterさん
 先程は失礼致しました。自分は堅帽子であるので感覚に違いがあるかもしれません。
 弦が曲るほどの捻りは恐らく手首に力が入りすぎで、もちろんつまみ引きとなり拇指は上をむきますし、シャフトも曲り矢色がでてしまい、また離れも軽やかでないかなと思い、また、肘中心で引くと、そこまでの捻りを加える事はできないかなと、経験的、また個人的に感じたまでです。故魚住十段(尾州竹林派)の本にも「弦が曲るほどの捻りは必要ないと思う」とかかれていたような気がしました。しかしながら、魚住先生でさえ「〜と思う」という語調でありましたので、絶対という事ではなさそうです。自分は尾州竹林の先生に教えていただいているので、それを参考にしています。
 また、自分の場合、初心者の方に対しては、捻りの感覚がつかめないので、「できる限りひねろ〜〜!!」と申しますが、ある程度してきて、無意識的に捻れるようになってくると「実は、捻りすぎもよくないぞ〜〜!!」といって、もう捻る意識がなくとも捻れているので、肘主体の引きに移行させるため、“あえて”「殊更捻らなくてもいい」と指導します。ですので、私もある程度の捻りに関しては大切だと感じております。
 また、斜面でありますゆえ恐らく多少、感覚上の違いがございますが、大三で馬手は弓に引っ張られるままにし、また、馬手でなく、肘をはる、分かりやすくいえば、肘を上方向に吊り上げるようにし、ここで、すでに肘に意識と、力の移行を行っています。ここで肘ではれるようにすると、肘を張る限り馬手の位置が変わる事はありません。また、馬手は流派の違いもありますが、額のこぶしひとつはなした程度でいいと教わりました。あと、非常に表現しにくいのですが弓を腕で、体の横で引くようにすると、体で引けずうまくいかないです。体の上に弓を置くようにすると良かった気がします。
 引き分けで弓手が遅れるときは、まさに、弓手3分の2、馬手3分の1ですが、それでもダメなら、弓手10分の7ぐらいにします。

7:でんきちさん
拝啓、m@ster様。グー様。
<4>m@ster様。
小生に対する御心遣い感謝しております。
しかと胸に届いておりますので、小生の事は御気になさらなくても大丈夫です。
小生はm@ster様の、いつもその丁寧な 心に宿る、魂を込めて困っている学生諸氏にアドバイスを送っておられる相手を「慈しむ精神」を御返信しておられる姿勢を敬愛しておりますから。それに、流派弓道をたしなめているm@ster様のような方々の貴重な御意見を、学生諸氏の方々が、無料で勉強できるのも、このサイトの素晴らしい所です。

<5>グー様。
鋭い洞察力ですね・・・。

>自分は捻りによって弦がより体を離れて飛ぶというのもここから来ているように

体から弦が離れ弓返りに至るのは、捻り起しによる馬手の体への密着状態→弦開放→弓返り→でも弓は入木なので体から離れ出す→更に手の内の角見利いてより体から弦離れる→弓返り真っ最中→弦の返る180度辺りで矢を押し出す。→矢が的へ向かう。
回りくどい説明になりましたが、「会」の時元から弓の入木のせいで、弦は体から弧を描いて離れる構造に成ってます。しかし、片手平付けや、たぐり癖、馬手が体より前で体から遠くに馬手がある会だと、
入り木・角見・ねじりモーメントが掛かっていても、弦開放の際、体より始めから離れた位置で弦が弧を描くので胸を払ったり・手首を打ったりします。
それなので、会ではより体に近くに馬手が適度に捻り起き、体に近い位置から離れを出すので、弦が体を離れて飛ぶ事に成ります。
始めの質問は是で、
御返事の回答に成りましたでしょうか?
あと、

>なぜまっすぐ矢が飛び出ることはない感じがしないのですか?

もう少し詳細の状況を御教えください。
「真っ直ぐ矢が出る事はない」
「感じがしない」
という状況説明を。
例)
矢飛びが左右に、又は上下にブレたり、渦を巻くように飛ぶ事を、意味してるのでしょうか?
敬具

8:でんきちさん
先の<2>における小生の捻りの件ですが
若干の補足致します。

>捻りは取懸け時に、矢・弦・帽子の中心線を全てが十文字になる

↑是に付いては先ず、馬手前腕を使って捻る前に、最終的に会の状態の「五重十文字」のうちの1つ「馬手手の内の矢・取懸けの十文字」を述べています。
この十文字が出来た取懸け後、馬手前腕全体で軽く、捻って下さい。つまり円相の構えの一部に成る程度の捻りです。是でシャフトが安定します。

>■捻り発言の連発に付いて。

↑これはあくまで、m@ster様の御意見の通り、下手に小手先で捻ると後で、会で馬手側に立って後ろから見ると、会でシャフトが湾曲する現象「のおし」になります。
m@ster様はこのシャフトの湾曲で会に成る事を懸念されて、捻るのはどうか?と申されたのです。
私のいう捻りは大三〜引分け〜会までの間でシャフトが湾曲しない程度に徐々に捻り起こしを示してます。
捻りが無かったり、取懸け不良で、引分けると、このサイトの通例言葉の「爆発」になりますので。

以上、<2>の補足でした。

9:ソバ矢さん
 私は山形の岡崎先生が以前月刊弓道誌に連載されていた「私の弓道理論」を信奉しているものです。
 さてぐーさんの文章を読ませて頂きますと、なんとなくですが以下の点についてどうなっているのかなと疑問に思われますので、ご確認いただけませんでしょうか?
・取懸けの際に、懸口十文字が出来ていますか?
・打起しの際に拳で打起していませんか?
 弓構えの段階で既に勝手肘が落ちて死んでいるような感じを受けました。それが打起→大三→引分けへと影響し、肘がうまく使えていないため平付けや捻ろうとして帽子が上を向く様な気がします。
・取懸けで矢と帽子の位置が近すぎませんか?
 取懸けの段階で矢と帽子の位置が近すぎると捻りを掛けづらくなると思います。 
・帽子の向きを的正面に向けようとしすぎている。あるいは帽子の中で拇指を反らせすぎていませんか?
 これも捻りを掛けづらくする要因としてあげられます。
・引分けで拳が耳の上を回るように引く意識をお持ちでしょうか?
 手先の力を抜こうとしすぎると、前腕の張りが失われ、肘がすぐに曲がっていこうとして、上差し気味の引分けになりがちです。大三での前腕の形をキープして、肘で引くつもりでいければ解決すると思われます。 
・お借りしたかけとぐーさんのかけとでは、帽子と人差し指の股の部分(懐)が前者の方が広くありませんか?
 さて今回で一番お聞きしたいのがこの一点です。もしお借りしたかけの方が懐が広いならば、ぐーさんのかけはお借りしたかけに対して相対的に捻りをかけた形にしづらい(捻る方に力を掛けていても)構造となっているように思われます。
 
 以上長々と書きましたが、一番最初に確認していただきたいのは最後の点です。そこに問題が無ければ、勝手肘の張り、前腕の張りがしっかりとできているかを確認してみてください。


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