早気 (投稿5件)[1〜5]


1:響さん
私は、高校2年生の者で最近、練習では3〜5秒会が保てるのですが競射になると全く保てません。やっぱり精神面の問題から来てるものですか、それとも他に何かあるんでしょうか?

2:nasiさん
精神面の何が影響しているとお考えでしょうか?集中の仕方でしょうか?緊張の仕方でしょうか?それとも精神が弱いから?

私としては「集中力の方向性」について考えるとよいかと思います。

そこでまず集中力には二つの軸があり、第一軸として「内的・外的」という方向性があることをまず念頭においてください。(もう1つは一点集中・分散集中と言う軸になります。)

会を持つためには体との相談が必要です。このような体の内面に集中することを「内的集中」といい、会を保つにはこの方向の集中力が高いほうが好ましいといえます。

でも大会・競射になれば中てたい、もしくは中てなければと思うことにより、体よりも的に意識が行き易くなる。すなわち体以外の物に集中力を向けてしまうため「外的集中」が過剰に高まります。

この外側に向けられた集中力が高まった結果、相対的に体の内側に向けられていた集中力は低下し、結果として体が勝手に動く、もしくは思い通り動かないことになります。これが早気を誘発する1つの因子だろうと思います。

かといって完全に的を意識しないというのは大会で行うのは難しいことですし、狙うという動作は必要だと思います。そこでこの内的・外的集中力のバランスを考慮して、内的集中力を高める意識を持ってもらいたいのです。

集中力があり、それが外側に向いているから早いだけ、ただそれだけのことだろうと思います。弓からの手応えそういったものを競射中に感じるなど内的集中力の目標を構築し、練習されるのがよいかなと思いました。

3:響さん
ありがとうございます。今日から内的集中力をつけていきたいと思います。

4:響さん
ちなみに、どうしたら内的集中力がつくのですか?

5:nasiさん
集中力を付けるというわけではありません。集中力の方向性を吟味してほしいのです。

仮に今集中力の総量を100とした時に現在の競射時には外的集中80・内的集中20の割合になっているとします。それを外的30の内的70程度の比率に切り替えるということです。集中力の総量を増やしても外側に集中が向いている限りは、問題は解決しないのではなかいと思います。

そこで内的に集中するとは何かを知らなければなりませんが、例えば会における筋肉の動きを感じる、呼吸を感じる、手の内から伝わる弓・弦の感触を吟味する、会を持つ時の体の声を感じる、指の力1本1本を感じる。そういったことが弓道における内的集中になるかと思います。これを大きく感じられるほど内的に集中できるということになろうかと思います。

また練習中と競射における思考の違いも考えて見てください。練習中会を持とうとして何を考えていますか?逆に競射中に何を考えなくなるでしょうか?この考えなくなる部分に内的集中を高める1つのヒントがあるのだろうと思います。

また競射中に特定に考える、若しくは意識することも洗い出してください。そこに外的集中を高める(内的集中を弱める)因子が隠れている可能性は高くなります。

練習中と競射における会での感覚の違いをも少し突き詰めてみてください。


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