竹弓を拭くことの是非について (投稿26件)[1〜26]


1:ゆるみ離れ ◆rBQWtf4.さん
管理人様の「弓道へなちょこ日記」に2007/03/07付けで「竹弓と脂とマッチポンプ」という一文が掲載されています。竹弓の手入れについて
「竹自身が十分な油を持っており必要以上に擦ったりする必要は無い。拭きすぎる事で竹本来の油をとりカラカラになってしまい、しなやかさがなくなる」
という事なのですが、より広く意見を伺いたいと思い、スレッドを立てさせていただきました。

文献を見ますと
「常に使用の前後には乾いた布で拭き、湿気を防ぐようにしなければならない。(弓道教本1巻)」
「竹弓の大敵は湿気です。(中略)弓の手入れには、床用ワックスで磨いた後に乾拭きをすると良いでしょう。(DVDで学ぶ基本の弓道)」
「引きはじめと終わりに、乾いた布で弓を拭いておくだけでも、弓の湿気が取れる。(克つための弓道)」
「湿気により狂いを生じやすいので、雨天の際、とくに梅雨期には乾布で拭いて湿気を取り去ること。(写真と図解による弓道)』
と、弓を拭くことを勧めているものが殆どのようです。
では「竹弓を拭く必要」とはどの程度を指すのでしょうか。私自身は「温かくなるまで拭け」と教えられてきましたので、日本手ぬぐい(パイル地のタオルだと、表面を傷めやすいので)でほんのりと温かくなるまで拭いておりますが、この方法は却って弓には良くなかったのでしょうか。皆様のご意見をお願い致します。

2:枕流さん
 第一回柴田師ワークショップ卒業生として、また全国90%の竹弓産出県住人の私としては管理人さん及び質問の意味双方理解致しております。
 
 皆様如何でしょうか?弓は壊れる物ですよね、やっぱり!

3:みっちょむさん
一応の参考としてください。
http://www.kcn.ne.jp/~toyo/yumi/takeyumi/ta_top.html

4:ポン酢ファンさん
第二回竹弓ワークショップに参加しましたが、ワークショップに参加する以前からの拭かない派のポン酢ファンです。

よく弓の姿の安定という理由をお聞きしますが、姿が安定しないのは、その弓を使われている材料の枯れ具合が一番問題でしょう。
家具や木造建物で、時間とともに隙間が空いたり歪むのと同じ原理かと。

また湿度の影響は、夏場に打ち立てのニベ弓を引こうと考えないかぎり、弓力的な問題はともかく現在の化学合成樹脂を使った弓は、ガチガチに接着されているので不安なく引けるかと思います。

5:明鏡止水 ◆IDFFcYqcさん
非常に興味深い問題で、今後のお話の進展が楽しみです。


一つの話題ですが、うちの道場にワークショップ主催の弓師さまを信奉為されて、交流も密な方がいらっしゃいますが、弓は手拭でよく拭いていらっしゃいます。
(勿論其の銘の弓しかお使いではご在ません。)

また、ワークショップに参加して来られた方も弓をよく拭いておられます。


>弓の湿気
僕達が高校時代に使っていた(古い)竹弓は、雨天や梅雨時期には凄く湿気を帯びたり吸ったりしていた気が致します。
其の時期には、弓を拭かねばどうにもならなかった気が致します。
(最近使用している弓は、其処まで湿気ることは無いですが・・・。)

今回の話題から見れば、この事例も代々の部員が弓を乾拭きし過ぎた結果・・・と云うことになるのでしょうか??

6:ポン酢ファンさん
古いニベ弓は、使用状態と保管状況にも左右されますが、自然に酸化することで、油分がなくなり湿気を帯やすくなる傾向があります。

湿気対策には、拭き(透き)漆を施すような手間をかけないと扱いづらいかと思います。


ワークショップはあくまで「自分で弓づくりを体験する」がメインですし、それだけで充分濃厚で、手一杯、頭は追い付かないと思いますよ。
しかし!作業以外の交流が一番価値があるかと。

7:たらさん
私はある先生に、弓は側木をメインに拭くと教えられました。昔のニベ弓などは、側木を暖めて、接着剤を一時的に溶かし、冷めるまで待ち、接着力を高めて壊れないようにすると言われました。また、夏などの湿気の多いときは、湿気をとばし、冬は暖めることで乾燥しすぎることを防ぐと言われました。

8:ヒヨコV3さん
単に程度や加減の問題では?
また、一人の弓師が言った事が全ての竹弓に当てはまるかと言えばそうでもないと思いますし。
各弓の弓師のおっしゃる扱い方で良いと思います。

ユガケと同じでギリ粉を多く、少なく、全く付けない等の考え方と似てるような気がします。
いろんな扱い方があってもいいと思います。
裏を返せば竹弓初心者(自分含む)を混乱させるスレッドだなと思いました。

9:元 ◆ntlC4wAIさん
一貫流サイトのPDF
昭和17年 鳥取一中報國團鍛錬弓道班第五学年生徒編
『光尖 題六篇』
からの抜粋

〜梅雨中や夏季湿気のある時は可成乾燥した所に置き、使用後は必ず乾布で数回拭いて湿気や手の油やほこりを防ぐ。止むを得ずして雨に濡らした時は特別よく湿気を拭取らなければならぬ。それは鰾が柔らかになるを防ぐためである〜

う〜ん…

10:明鏡止水 ◆IDFFcYqcさん
>ポン酢ファンさま
>ワークショップはあくまで「自分で弓づくりを体験する」がメインですし、それだけで充分濃厚で、手一杯、頭は追い付かないと思いますよ。
ご返信ありがとうございます。

ただ、管理人さまの日記には以下のように書かれており、ワークショップに於いて指導が在った旨が伺えますね。

>こないだの竹弓ワークショップでは「こすらない」という教えを受けています。必要以上にこすることで竹本来の脂をうばうそうです。

また、高校時代の弓は鰾弓ではなく合成弓でした。
道場内の弓具庫と云うことで、保存状態もよくなかったということは云えるとは思います。

11:ゆるみ離れ ◆rBQWtf4.さん
様々なご意見を頂き、有難うございます。

この件について、都城市のある弓師様に伺ったところ、次のようなご教示を頂きましたのでご紹介させて頂きます。

前略、内竹焦がし弓(白木弓)なら少々こすっても大丈夫かと思いますが、柔らかめの布を使用したほうが良いかと思います。多分寒冷時に笄を防ぐための操作であろうかと思いますが、其の効果はあるかと思います。
カーワックスを極薄めにつけた布で拭くと傷もつかないし、汚れもつきにくくなりますので良いことです。ただワックスが握り皮につかないような工夫は必要です。
先ずは要用のみ。            草々 

12:弓遊び ◆.t4dJfuUさん
私は温かくなるまで弓を拭きあげる方です。

外竹、内竹は汚れ等を落とす程度ですが、両側木は温もるまで拭きあげます。
で、先月、私の弓を打って下さった弓師さんとお話しする機会に恵まれましたが、やはり弦を張ってすぐの弓は、温かくなるまで拭きあげ、形を整え(確認)、しばらく(30分位)寝かせてから使用して欲しい。と仰られていました。

13:勝ちトンボさん [url]
第二回ワークショップ参加者の勝ちトンボです。

7で「たらさん」が仰っている。
>私はある先生に、弓は側木をメインに拭
>と教えられました。昔のニベ弓などは、
>側木を暖めて、接着剤を一時的に溶かし、
>冷めるまで待ち、接着力を高めて壊れない
>ようにすると言われました。また、夏な
>どの湿気の多いときは、湿気をとばし、
>冬は暖めることで乾燥しすぎることを防
>ぐと言われました。
ニベを溶かす程の摩擦って、どれだけやれば良いのでしょうか?ニベが溶け出す温度は約50度ぐらいと聞いてます。その温度まで上げるには乾拭き程度ではどうにもならないと思うのですが・・・

ゆるみ離れ ◆rBQWtf4.さん が都城の弓師さんに聞いて頂いた内容の中に「笄を防止する効果がある」とありますが、拭く事によってどの様な効果があり、だから効果があるとの理論的な説明が無い様に思えます。

皆様方の中に「何故暖かくなるまで拭きあげるのか?」をご説明頂ける方がいらっしゃったら是非ご教示願いたいのですが・・・

14:kurichaさん
>>「何故暖かくなるまで拭きあげるのか?」

理屈はとにかく、冬場、寒い時期には笄がおきやすいのは周知の事実ですよね。

15:弓遊び ◆.t4dJfuUさん
竹を冷たいままで矯正(傷める)する。
のと、暖かい内に矯正(傷める)する。
との違いかな?

16:ポン酢ファンさん
>明鏡止水さま

ワークショップは途中よりの参加ゆえ、私の参加していない段階で、扱いの指導があったのかもしれません。
しかしそれを守るも守らないもその人の考え一つかと思います。
ネットでこのような話題が出ていますが…と話をふるのも地元でのコミュニケーションツールになっていいかもしれませんね!

おっしゃっていらっしゃるように、学校の備品は個人のものではありませんし、扱いが粗雑になるのは明白です。それは基準にならないでしょう。

17:ポン酢ファンさん
連続ですみません。

>都城の弓師のかた
発言はどなたなんでしょう?名前を公表されてはマズイのでしょうか?
カーワックス使用…ワックスをのせるには竹の油分を全て取り去らないとのらないかと。私には抵抗有りすぎてできませんが、一般的なんでしょうか?

>外竹切れ
冬場に多い、とよく言われますが、私の数回の経験では、1月に一回、5〜6月に五回と梅雨入り前の天候が安定しない時期の率が高いです。
私の地元では真冬より春〜梅雨前が多い気がしております。
皆さんの周りではいかがですか?

都城の弓は、松永系および勘十郎と比べると、総じて故障しにくい、というイメージがありますが、何故なんでしょうね?!

>弓を拭く

成りの調整でしたら、張る際に押す場所を選ぶとか、火入れで確実に済ませたら楽に使用出来るかと思います。痛めつけるのはちょっと…

ふく意義が分かれば納得なんですが…弓を拭く理由は、好みでしょうか?

18:弓遊び ◆.t4dJfuUさん
強い部位を傷め自分で成を整える。

これ常識ですね。
火入れは、自分で出来ない(手に負えない)部位をお願いします。

19:ポン酢ファンさん
>弓遊びさん

常識ですか。私の考えとはずいぶん外れているので、私は非常識なんでしょうね。

私の少ない経験では、摩擦熱程度で自分で痛めても、休ませたらまた元通りなんて場合がしばしばでした。
また無理矢理したら足跡ついてしまいますし、やはり購入元でアフターサービスで火入れしていただくのが一番かと思います。

どうしても自分で!と、一度思って家庭用ストーブを熱源に火入れしてみたことありますが。
加減説明できないのでおすすめしません。

20:たらさん
私は先生に言われたことを述べたまでです。完全に溶かさなくても、多少熱が加わる程度でいいんじゃないですかね?私はあまり気にしてません。ただ、ジュラ矢を布で10回〜15回ほど擦り、手に矢を中てるとかなり熱く感じました。ジュラ矢なのでここまで熱くなると思ったのですが、竹でも多少の熱は加わるのではないでしょうか?

21:弓遊び ◆.t4dJfuUさん
>ポン酢ファンさん

私のいう常識、弓の強い所を傷める。
ポン酢ファンさんが行われている『弓の勘所をおさえて弓を張る』という事も含みます。
普通に張ると張顔が変わるから勘所を捉えて弓を張っていらっしゃると思いますが。


張ったすぐ後に摩擦熱(かな?)で温める事により、竹の弾力性(かな?)が生まれ成の矯正(整え)がしやすくなる。また首や両反をヘシ折る可能性も、いくばくか少なくなる。という事ですね。これは単なる私の思い込みなのかもしれませんがね。
よく竹の油分の話が出ますが、油分が心配。という事であれば、竹本来の油分には及ばないけれども、木の実の油(胡桃油や椿油など)などを極少量塗るのも効果がありますね。


本題
拭きあげない汚らしい弓を手にして弓を引くか?
年期は入っているが、いつも綺麗に拭きあげてある弓を手にして引くか?


これは使用者の好みになりそうですね。

22:明鏡止水 ◆IDFFcYqcさん
>竹でも多少の熱は加わるのではないでしょうか?
はい、僕もそう云う素朴な疑問を持ちました。
摩擦熱でも結構な熱を持つように思われませんか。(鰾=膠=が融けるかどうかは別としてね。)

もう一つの疑問は、弓を擦ることによって、其れほど弓に重大な影響が出るほどの油分が失われるのか・・・と云うことです。
使わずにそのまま放置された状態と比べて、どうなんでしょうね。
(経年に因る油分の揮発と、拭くことに因る短期の消失の問題です。)

長年手入れもされずに放置された弓の表面は、見た目カサカサで油分の欠片も感じられないことも事実ですよね。
(表面が問題ではなく・・・竹の中の問題なのでしょうか?)

一方で、手入れの行き届いた弓の表面はツヤツヤして輝いて見えます。(此れは単に見た目だけの問題で、実際問題とすれば油分は抜けてるんでしょうか?)

ただ、拭き方とすれば、今までは乾拭きしか経験がございませんし、周りでも‘ワックス’や‘油’を付けて・・・と云うのは見たことがございませんでした。
(長年放置され、本当に汚れた弓を、家具等の汚れ落とし=油性?=を少量付けて磨いたことはございます。)

23:sainomiさん
横レス申し訳ありません.

竹弓初心者の素朴な疑問です.

白木弓というものは表面処理として,ニス等を塗布することはないのでしょうか?

バイオリンの例などをもちだすと,話があらぬ方向へいってしまいそうですが,適切な表面処理を施せば,湿気による狂いなども防げるかと思いますし,竹の持つ油分が損なわれることもないのではと思うのですが.

24:ゆるみ離れ ◆rBQWtf4.さん
ポン酢ファン様
>都城の弓師のかた
永野一萃先生です。

ただ、この件については、重大な書き落としに気付きましたので、追記させて頂きます。

それは、このご教示は「先生の作品については、どう取り扱えばよろしいでしょうか。」とお尋ねした事に対するものであり、一般論としての弓の取り扱いを述べたものではない、という事です。他の弓師様の作品についても「こうしなさい」という事ではございません。非常に重要な事を書き落とし、深くお詫び申し上げます。

sainomi様
>ニス等を塗布すること
文献を見た限りでは、おそらくニスはないと思われます。漆を塗った弓はございますが。

25:勝ちトンボさん [url]
皆さんご教示有り難う御座います。
kurichaさん
>理屈はとにかく、冬場、寒い時期には笄がおきやすいのは周知の事実ですよね。
僕は、その理屈を皆さんにお聞きしたかったのです。長谷川弓具店さんや都内の弓具店さんにお聞きしても竹弓の修理は冬場より梅雨時期から夏場が多いと聞いています。弓が安定していない時期に故障が多いようです。

たらさん
御返答有り難う御座いました。
摩擦で熱を帯びるのは僕もそう思います。
ただ、たらさんの先生はニベ弓のニベを溶かすのを前提としていらっしゃっている様なので多少の熱では無いのでは?思っています。
もし、合成接着の弓で…というのが、たらさんの前提であるならば先生が仰っているお言葉は当てはまらないのでは無いですか?
それと、ジュラ矢等金属を摩擦する事と、それを竹でやる事は両者とも暖かくなるのはなるでしょうが物質の違いで熱の伝わり方も違うので比較対象にはならないかと思います。

明鏡止水さん
油分の消失の問題ですが、一度や二度拭いたからといって問題だと言っているのではなく、その頻度の問題かと思います。
竹弓は「枯れた弓」になるまで、相当な年数がかかります。僕は拭くという行為を枯れるように手助けしているのかな〜なんて思いますが、裏を返せばリスクが高まる事を考えると寿命を縮めているのではないかと思います。

拭いた弓と拭かない弓の対比ですが、二つの弓が同じ状態で使用し同じ年数が経っている物なのでしょうか?そうでなければ対比のしようがないと思います。

弓遊びさん
僕も成りの調整は火を入れて頂いています。理由はポン酢ファンさんと同じです。それでも下が立ってきたと思うときには張る際に下を押しながら張るようにしています。今までその方法で矯正しなくてはならない程大幅に張り顔が変わった経験がございません。

それと、これは僕の取り方が問題なのかもしれませんが
>本題
拭きあげない汚らしい弓を手にして弓を引くか?
年期は入っているが、いつも綺麗に拭きあげてある弓を手にして引くか?
拭かないと言っている方々に対して失敬ではありませんか?
拭かない人間は「弓を手荒に扱っている。」と読み取れます。絶対に弓を拭かないとは言っていません。やはり汚れていれば拭きますし、試合や審査など特に人前に出る時は綺麗にしておくのが当たり前だと思います。
弓遊びさんの考えと差違がありましたら申し訳御座いませんが、少なくても僕はそう思いました。

長文大変失礼致しました。

26:枕流さん
>拭きあげない汚らしい弓を手にして弓を引くか?
>年期は入っているが、いつも綺麗に拭きあげてある弓を手にして引くか?


使っている刃物がさびないのと同じ事で普段使用している弓ならばそうそう汚れませんよね。拭かない派の意見にはそういうことも含まれると思いますよ。
逆に熱心に摩擦熱を起こすべくゴシゴシやっていて弓をぶつけたりということの心配もあります。

結局自分がその弓に対して良かれと思うことをやっておけばもしもの時に悔いが残らぬ、ということではないでしょうか?

弓なんて壊れるときは壊れます。


ホーム > 弓道座談会 > 2009/06まで 弓具・設備編 > 竹弓を拭くことの是非について (投稿26件)[1〜26]

(c)デビール田中 : 問い合わせ