内竹の特長について (投稿11件)[1〜11]


1:弓旅人さん
内竹には焦がし竹と煤竹とがありますが(もしかしたら他にもあるかもしれませんが・・・)この二つの内竹にはどの様な特長があるのでしょう?とある弓具店のHPを見ると、煤竹の方が価格も高く、特製や特作などになっています。今日道場で弓友達と話をしていて気になったので、どうか教えて下さいよろしくお願いします。

2:kurichaさん
煤竹の方が製作に時間がかかる分値段が高く設定されているようです。 私は見た目が焦がしの方が好きですけど。

3:弓旅人さん
ご返信ありがとうございます。そういった理由で料金が高くなっているのですね、納得しました。ちなみに私は煤竹が欲しいです。尊敬する先生が煤竹の弓を使用しているので、いつか購入したいです。

4:ワカクワさん
 気分を害する書き込みになってしまったらすいません。
 煤竹は、本来日本の伝統建築様式で作られた家の、屋根や壁の一部に使われた竹を取り出し、それを茶さじや弓用として使うわけです。昔の日本の家は大体囲炉裏があり、常に日を灯していたいたため、非常に長期間(大体50年〜100年)にわたって燻されます。特徴としては弓自体が非常に軽くなる、そのためよく冴える、反発力が強くなる、リスクとして、ぎりぎりまで枯れているためヒビ割れしやすい、あまり強い弓が作れない(がんばっても18キロぐらい)等があります。当たり前ですが、外竹に使ったらあっという間に弾けます。
 古い農家なんかを解体したときにたまたまでてきた物を使うわけですから、数は少なく当然高価になります。
 長年生活空間で使われたわけですから、当然擦り傷やかすり傷、固定していた縄の後などがたくさん付き、これらがまた独特の風合いと趣を醸し出します。現在煤竹として販売されている弓は煤竹としてはあまりに綺麗過ぎるものばかりで、別に疑っているわけではありませんが、ちょっと疑問を感じます。

5:枕流さん
 本来煤竹とはワカクワさんのおっしゃるとおりのものと聞いております。
 現在一般的に出回っているものは人工的に作った煤竹です。戦前はそれでも風呂場の焚き口の上などで煤をつける本来のものに近い作り方だったようです。(私も所有しておりますがこれは深みがあって結構きれいです)現在は室の中で燻っては洗い燻っては洗いと繰り返し色を付けていく、いわば薫製竹です。
 個人的には焦がしよりも白竹の方がより肌艶が良いような気がして好きです。(私だけの独りよがり!?)

6:よしさん
ワカクワさんが仰っているものならば勿論、枕流さんが仰っているような物でも、私としては煤竹と呼べるぎりぎりのラインかと思っています。
もう一つ種類があります。それは染料染めの竹でして、これは竹に染料の蒸気を当て続けて作るもので、煤竹として売られていますが見る人が見ればすぐに染めだとわかるようなものでした。

7:kurichaさん
>>ワカクワ様
へ〜・・・勉強になります。そういった歴史のような物があったんですね。

>>外竹に使ったらあっという間に弾けます。
そうですね。弓師の方も言っていらっしゃいました。縮む力には強いので内竹に使うそうです。これは焦がし竹も同様な効果があるそうです。 

>>枕流様
先日ある弓師の方に「白木の弓というのは何も塗装していない弓の事だから、焦がしも燻しも白木の弓なんだ」と教えていただきました。内竹には縮む力に強い竹を使う事から燻し竹か焦がし竹を使うそうです。白竹=白木の事でしょうか? 私自身勉強不足なもので・・・

8:ポン酢ファンさん
白木弓は塗り弓に対する対義語で、
内竹の白竹、焦がし竹、染め竹、煤竹の区分とは異なると思います。

私見ですが、
「白竹」は青竹を四つ割にし、目通りを天日に晒したものを油拭き(余分な油分を炭火などでとばす工程)をしたものです。白竹も年月とともに自然酸化して硬くしまっていくのですが、今回これは脱線なので余談として。
「焦がし竹」は白竹を更に強く火を通し、表面に焦げ目が残るか残らないかのところまでしたものです。よく見かける白竹として売っている物には「焦がし竹」が多かったりします。
「染め竹」は、染料で色をつけるものですが、これは一見「煤竹」と似ています。
ただ染料が竹の内部まで浸透しないので、前竹の表皮と芯の部分の差を見ればはっきり差はわかります。
「煤竹」は、ワカクワさんがおっしゃったとおりで、キズ、茅葺き屋根の天井を支えるため括ってあった場所に縄目模様の跡がついているなどの点から天然モノかどうか判断できます。人口煤竹はあまりにも綺麗に全面に煤色がついているので判断には困りません。枕流さんのおっしゃるように人口煤竹は「燻製竹」といったほうが適正かもしれませんね。

また「晒し竹」という手法があり、苛性ソーダを使って人工的に竹表面の色を抜き、傷やアカをわかりにくくする事も可能です。

現在流通している竹弓は、前竹表面があまりにも綺麗すぎる弓が多く、天然モノでしかつかない傷、アザが意図的に隠されているとしか思えません。表面を綺麗にする技術も大事かもしれませんが、それよりも使用感の優れた弓を量産していただけるとすべての弓引きにとってプラスになるかと思います。

9:元 ◆ntlC4wAIさん
ついでに言いますれば、煤竹は非常に硬く刃が入れ難く、
さらには防虫・防腐効果があり、木材そのものの呼吸を妨げません。
昔の藁葺屋根では年中囲炉裏の火を炊やさず、さらに月に一度ほど煙りを焚いて家全体を燻していました。
煤をつける事で家屋を虫やカビ等から防いでいたのですね。
しかし弓に使える煤竹が一軒の家屋からどれ程取れるのでしょうか。
今ではそのような煤竹はとんでもなく貴重なのでしょう。

10:kurichaさん
いや、いや、皆様博識でいらしゃっる!!恐れ入りました。勉強になります。

11:弓旅人さん
みなさんご返信ありがとうございます。みなさんすごいですねぇ。ワカクワさんの話からすると、先生の弓も人工煤竹のようですね。先生の弓は都城弓なので、都城市大弓製造組合のHPにあるように作った煤竹のようです。ちなみにいやな気分にはなっていないので気にしないでください。


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