「十牛図」弓道バージョンその1 (投稿4件)[1〜4]
- 1:一鍬さん (2005/07/14(Thu)19:09:19, ID:DDh9YeQ [53339])
- 外道さんの「弓道について語ってみよう」のスレの中に「十牛図」のキーワードを見て、興味がわきましたので弓道バージョンを勝手に作ってみました。あくまでの個人の解釈ですので、疑いながら見てください。
1、 尋牛(じんぎゅう)
弓道を始めようと入口に立ったところ。まだ五里霧中の状態。段位でいえば初段、2段の頃か。
2、 見跡(けんせき)
一通り弓道八節をこなせるようになり、羽分け程度の的中も得られるようになった頃。「知識」を得て弓道とはこんな物かと少し姿が見える気がしている。しかし、「中り」も「はずれ」も自分のコントロール外にある。「知識」はあっても出来ることとは別。3段の頃かと。
3、 見牛(けんぎゅう)
的中もほぼ安定しおり、自分でもなんとなく弓道を極めたような気になっているが、まだ「癖中り」や「器用中り」が残っている。正射の姿は見えているが、つかまえてはいない。4段の頃かと。
4、 得牛(とくぎゅう)
さらに1ステップの向上を目指して射の改造に努力している頃。良くない射の原因、またどうすればよいかを自分で分かるが、まだ身に付くところまでは行かない。4段から5段にかけての頃。弓とまだ対峙している。正射を理解はしているが、会得はしていない。
5、 牧牛(ぼくぎゅう)
ほぼ正射も身に付き、弓との折り合いが付き、弓と協力し合い対話しながら射いている頃。離れに際し、まだ中てようとする心の残滓が無くなっていない。得牛の状態といったりきたりしやすい。
これ以上は未知の世界なので段位の比較は避けます。
- 2:一鍬さん (2005/07/14(Thu)19:10:21, ID:DDh9YeQ [53340])
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6、 騎牛帰家(きぎゅうきか)
弓と体が一体となっており、弓と争わず骨法に沿った自然な射が身に付いた頃。中てようとする心ももはや無い。弓道に道を求める心がほぼ合致し、安心感を得ている。油断をすると前に戻ってしまう。
7、 忘牛存人(ぼうぎゅうそんじん)
弓と人とが渾然一体となり、そこにはもはや弓を射いているという意識も必要ない。また、弓道に道を求めようと気負う心もない。
8、 人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう)
外面では、弓・人・的・天地が一体となり、足は地に伸び、上体は天に伸び、弓・矢・的・弓手・妻手が一本の糸で結ばれたように美しく収まっており、何の違和感もない状態(円相の世界)。内面では、弓の道に対する心も「無」、射に臨む自分の心も全て「無」となっている。ここまでは、前の段階に戻る可能性を秘めている。
9、 返本還源(へんぽんかんげん)
全てはあるがまま、何のこだわりもない心。「弓」も無く「的」も無く、赤ちゃんの如く、無垢な平安な心にある。もはや第8の状態に戻ることはない。
10、 入てん垂手(にってんすいしゅ)「てん」は俗界のこと
その人の存在自体が他の人の心を動かし、希望と安らぎを与える境地 かな?。
こうして書いてみると、弓道としては6か7くらいまでかな、いっても8くらいまででこれ以上は「弓道」の範疇を超えているような気がします。
- 3:弓遊び2号さん (2005/07/15(Fri)12:56:18, ID:.7vACZ. [53426])
- 一鍬さんの「十牛図」読ませていただきました。疑いながら読むまでもなく、これもまた解釈の一つとして、正しいものと思います。
私が思う「十牛図」は、入れ子のように、それこそ初心の段階から、小さなところにもあるような気がします。そして、十までいくと、また次の段階の一が始まる・・・終わりの無い道そのもの・・・では?でも、それが楽しくてやっているので、いいんですけどね。
ところで、どこからか忘れましたが、黒い牛が、白い牛に変化しますよね。その意味はなんなのでしょう?私は未だその解釈ができずにいるのですが。
- 4:一鍬さん (2005/07/15(Fri)17:23:34, ID:DDh9YeQ [53431])
- 弓遊び2号さんコメントありがとうございます。
十段階がそれぞれの段階の中に入れ子のように入ってくるとは、思いもよりませんでした。
確かに、それぞれの段階においてもアナログ(細かいデジタル)的に修得の度合いは変化していくのでしょうね。
ところで「黒い牛」、「白い牛」ですが、私の手元には学研から出版された2冊の本があります。
@「禅の本」、A「禅の知恵」
@の本の「十牛図」では五山版(天理大学図書館蔵)、Aの本では周文作(相国寺蔵)の絵が載っています。
是を見比べますと、確かに@では4得牛までは黒い牛で、5牧牛からは白い牛になっていますが、一方Aでは黒い牛のままとなっていますので、牛の色の違いに深い意味はないのではないかと思います。
@の本の絵の作者は牛の色の違いに意味を込められたのかもしれませんが、残念ながら本の中では触れていません。何か分かりましたら、またアップしたいと思います。
余談ですが、@の本の中に、弓道場で1人キ坐して的と対峙している写真があるのですが、この写真が私と「弓道」の最初の出会いです。
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