これ知っていますか? (投稿9件)[1〜9]


1:紫弓さん
最近良く大会で気になることがあります。それは矢越しについてなのですが一足の足踏みをしている方が矢番えの矢越しをするのには意味があるのでしょうか?ほぼ九割越えの方がし、話しには範士の先生にもおられるらしいです。
矢越し自体は武射系の筈なのですが礼射系も行う状態です。
矢越しは、甲矢の矢番えの筈を取りに移る時に乙矢が甲矢を越すことを言います。武射系がする理由は分かるのですが、礼射系でする理由が分かりません。時代の流れでしょうか?
この矢越しの言葉を知ってるか知らないかも募集したいです。
よろしくお願いします。

2:射楽斎Uさん
どう説明したらよいのか・・・?
「一足の足踏」というのはご存知の通り小笠原流に代表される礼射系の体配です。
小笠原流では、甲矢を番えた後、甲矢に対し乙矢を垂直に立て、甲矢に対し十文字に組んで甲矢の外側をまわって甲矢の筈を持ち、送りこんで矢番えをするわけです。
だから、乙矢が甲矢を越して手前側から甲矢の筈を持ち、送り込んで番えることはないのです。
しかし、現在の「一足の足踏」には礼射系の歴史的過去を受け継ぎつつも、小笠原流そのものではないのです。
基本は、より積極的に甲矢と乙矢の「縁」を切ることなく甲矢に沿って甲矢の筈に至り、これを送り込んで番える、という思想のもとに現在の方法が指導されています。
これは、考え方と美意識の違いであって、純然たる小笠原流であればそれに従うべきですし、その歴史的意義から、甲矢と乙矢の「縁」を切ることなく、手先を甲矢に沿いつつ筈に運ぶ動きを優先し、その過程で乙矢が自然に甲矢を越すことを「否」としないとする、現時点での思想上の結論です。
私は「一足の足踏」ですが、上記の思想のもとに自分の体配を意図的に磨き上げているつもりです。
あるいは、私見の混入部分もあるかもしれませんが、これでご理解いただけるでしょうか。

3:紫弓さん
七割知ってることと後は知らないことでした。参考になります。(^-^)比較しながら言う時は礼射系は甲矢を一度に送り込む為に、武者系は二度に渡り送る為、互いに最短距離で扱うのが肘の動きが美しく扱えると考えていました。結論は私も同じです。ありがとうございます。
そこで今回考えることは、礼射系なのに何故矢越しするのかです。
大きな大会でも何故か結構な方がやっています。又、地域的なものかただ知らないのかも気になりところですね。
質問のしかたは本当に難しいですね、、。

射楽斎Uさんの言われる足踏みが気になりました。私は武者系に比べれば、本座の立ち位置が違うのと上の理由に成りますが最初の左足の踏み開き方が脇正面に半足分でながら半歩開く方法で引いています。これもかなり知られていませんが、、。もし他の説でしたら御指摘ください。

4:デビ@普通の発言さん
「矢越し」とは初めて聞きました。そして「矢越し」の意味がお二人のやり取りを読んでも今ひとつわかりません。

>矢越しは、甲矢の矢番えの筈を取りに移る時に乙矢が甲矢を越すことを言います。

1)「甲矢の矢番えの筈を取りに移る時」とは何時ですか?

これは甲矢を番えた後の乙矢を打ち込む時のことですか? それともその後に乙矢を抜いて甲矢の取懸け時のことを指しますか?

2)「乙矢が甲矢を越す」とは、どちら向きにどの部分が越すと言っていますか?

すみませんが教えてください。

ちなみに、弓道活劇一人編では、礼射系のつもりで作っているのにもかかわらず甲矢を番えるタイミングでの乙矢の打ち込みを2動作で行っています。5人立では直っていますが。(この話とはちょっと違うんですよねぇ??)

5:枕流@宮崎さん
以前矢越について調べたことがあるのですが、私の記憶が確かなら印西派の伝書に記述がありました。あと道雪派の伝書にも記述がありましたが道雪派では巻藁前のみ行うとのことでした。紫弓さんの言われる某範士があのS範士のことならK県にも印西派が伝わっていたようですのでその関連かな。とまあそんなことを推測しております。しかし矢越にどんな意味があるのかはわからずじまいでした。よろしければご教授ください。

6:紫弓さん
御指摘ありがとうございます。
まずデビさんの質問に矢越しついては、甲矢を人差し指と中指の間に指してから筈を保ち(取り?)に行くまでです。動作としては、馬手が弦を越すと直ぐに乙矢が甲矢を越し、(脇正面側から射手側)にうつり二度に渡り甲矢を送り番えます。イメージできましたでしょうか?
活劇はしばらくパソコンが使えないので実際に見ないと分からないです。

枕流@宮崎さんの言われる、矢越しする理由については私の知る限りでは先のように二度に渡り矢を送る為です。又、この理由で武者系は板付きを持つと伺っています。
範士の先生についつは本当にお話しでしたのでお名前は伺っていませんでした。貴重なお話しありがとうございます。
余談ですがある本には二度に渡り矢を送るときにも矢越ししないとあるのも見つけています。不思議なものです。
いろいろありそうなのでみなさんの系統と矢番えについても聞いてみたいですね。(^-^)

7:枕流@宮崎さん
 私の調べた矢越は若干違うようです。
 私の見た矢越は馬手は脇正面側から射手側弦に移ること無く脇正面側のまま二度に渡り甲矢を送り番えます。
 紫弓さんのおっしゃる矢越の訳は私も以前不思議に思い調べましたが、教本の”返す”と”反す”の漢字の解釈の相違ではないかと結論づけました。私も漢和辞典を見るまで意味の違いを知らなかったんですが・・・

8:射楽斎Uさん
紫弓さんへ
>射楽斎Uさんの言われる足踏みが気になりました。私は武者系に比べれば、本座の立ち位置が違うのと上の理由に成りますが最初の左足の踏み開き方が脇正面に半足分でながら半歩開く方法で引いています。

ちょっと検証してみます。
私は本座において、的に向かって正対しています。すなわち、体中央が的中心に正対していますので右膝は的正面より太もも分脇正面側に出ています。
このまま、射位に進み右膝を軸に開き足をしますので、脇正面に向き直った時は、あるべき足踏みの線より、膝一つ(12cmくらい)前に出ますよね。
この分、立つ時の左爪先の位置は膝先より膝一つ(12cmくらい)手前に踏み込んで立たねばなりません。
普通に言われる、立つ時の左足は右膝を出ないように、というのとおよそ対応します(少し甘すぎますけどね)。
だから、足踏みの左足は立ち上がった位置からまっすぐ的に踏み出しています。
したがって、私は半足踏み出しながら足踏みすることはありません。
だから、閉じ足は甲矢ではほぼ1足分後ろに引き、退場する時の乙矢は後ろに引かずに真っ直ぐ閉じて退場するのです。
体配を仕上げてゆく過程で、このような検証は避けてとおれません。
これで状況がうまく伝わったでしょうか。
流派の思想にはまた別の思いがあると思いますが、私にはこれが美しく合理的であり、いささか大変でも修練しがいがあると思っています。
矢越しについては、実用上本来武射系のものと思います。
また、小笠原流における甲矢乙矢を十字にきってさばくのもなかなかの様式美を感じます。
しかし、甲矢に沿って筈に向かう手先への配慮には、私は納得の美を感じます。
それに沿って動く乙矢の動きには十分な配慮が必要ですし、それが配慮美となっているのでしょうね。

9:紫弓さん
と感心するばかりです。ありがとうございます。枕流@宮崎さんありがとうございます。矢越しは二度に送ることで考えているとは初耳で勉強になります。
私も今の先生につくまで射楽斎さんと同様の方法で考え行っていました。理由については何度か伺っているのですが、私が何故かこの話の重要な点を逃すのではっきり今は説明できないのですみません。確か武者系と礼射系の足の動きの何かの違いで分かったと思いますがしっかり覚えた時にこれを説明しますね。
やはり体配は様々な様式美があり、それを感じさせ調和の美を表す為になくてわならないものと感じます。もちろん、この矢越しについてもする人しない人がお互いに知ることで動作(今回ので言えば矢越しする人はなるべく早く、しない人はなるべくゆったりと)も息合いを合わせることが更なる調和の美を生み出すと感じています。


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