弓道競技運営要領(運営マニュアル)


■第1章 総則

第1条 目的

  1. この弓道競技運営要領(以下「要領」という)は、大会(競技会)に関する基本的な運営方法を取り決め、競技運営を円滑に執行することを目的とする。

第2条 適用の範囲

  1. この要領は、全弓連並びに地連の主催・主管する競技に適用する。

第3条 要領の運用

  1. 大会および施設の諸条件により、この要領により難い場合や明示されていない事項については、この要領に準じて行う。

■第2章 会場の設営

第4条 競技会場

  1. 競技会場とは、競技を行う場所(射場・矢道・的場・審判席・観覧席)全体をいう。
  2. 競技会場は、競技種目により、近的会場(射距離28m)と遠的会場(射距離60m)がある。
  3. 競技会場の広さは、競技規則に準じ制定する。

第5条 競技射場

  1. 競技射場(以下「射場」という)は、行射をする場所(審判席を含む)の範囲をいう。

第6条 射場の設営

  1. 施設の基本
    1. 施設の各部寸法・・・近的・遠的共通
      1. 天井の高さは、4.0m。(3.8m以上)・・・参:1.9(身長)+0.3(手)+1.4(弓)+0.2(余裕)=3.8
      2. 行射口(射場前端開口部)の高さは、2.7〜3.0m。(2.5m以上)
      3. 入退場口の間口は、2.4〜2.7m。(1.8m以上)
    2. 近的射場の標準寸法
      1. 射位から射場前端(框)までの距離は、2.1m。
      2. 射位と本座間の距離は、2.2m。
      3. 選手1番と脇正面審判席の距離は、1.8m以上。
      4. 選手落番と後方壁の距離は、1.4m以上。
      5. 本座と後方競技役員席の距離は、3.0m以上。
    3. 遠的射場の標準寸法
      1. 射位から射場前端(框)までの距離は、2.1m。
      2. 射位と本座間の距離は、1.2m。
      3. 本座の手前0.5mに「本座控」を設置。
      4. 椅子を使用する場合は、本座の手前0.8mに椅子前端を設置。
      5. 選手1番と脇正面審判席の距離は、1.8m以上。
      6. 選手落番と後方壁の距離は、1.4m以上。
      7. 本座と後方競技役員席の距離は、4.0m以上。
  2. 射場の基本
    1. 行射位置の明示
      1. 射位に「射位札」を置く。
      2. 本座に「本座札」を置く。
      3. 全ての立位置に「立札」を置く。
      4. 立射の場合は、本座の控に「本座控札」を置くこともある。
  3. 近的射場(坐射・持的)
    1. 5人立×1射場の場合・・・≪巻末図II−1
      1. 審判席は、脇正面に配置。
      2. 各選手間隔は、標準を1.8mとする。(1.6〜2.0m)
    2. 3人立×2射場の場合・・・≪巻末図II−2
      1. 審判席は、右前の後方に配置。
      2. 各選手間隔は、標準を1.8mとする。(1.6〜1.8m)
      3. 射場間(第1射場3番と第2射場1番)の間隔は、3.2m。(1.6m以上)
  4. 遠的射場(立射・標的一個)
    1. 5人立×1射場の場合・・・≪巻末図II−3
      1. 審判席は、脇正面に配置。
      2. 各選手間隔は、標準を1.4mとする。
    2. 3人立×2射場の場合・・・≪巻末図II−4
      1. 審判席は、右前の後方に配置。
      2. 各選手間隔は、1.6mとする。(1.4〜1.8m)
      3. 射場間(第1射場3番と第2射場1番)の間隔は、3.2m。(1.6m以上)
      4. 的芯間隔は、各射場の選手間中心に設置。

■第3章 大会の内容

第7条 実施要項

  1. 基本的な記載事項
    (1) 発行日
    発行日。
    (2) 大会名
    正式名称・第○○回または○○年度。
    (3) 主催
    正式名称。(共催の場合は、記載順序に注意)
    (4) 主管
    正式名称。(共管の場合は、記載順序に注意)
    (5) 後援
    正式名称。(複数後援の場合は、記載順序に注意)
    (6) 期日
    開催期間。
    (7) 日程
    開会時刻および閉会予定時刻。
    (8) 会 場
    正式名称および住所・電話番号・交通の便など。
    (9) 競技種目
    近的競技または遠的競技。(併行の場合は、その旨)
    (10) 競技
    種類個人競技または団体競技。(併行の場合は、その旨)
    (11) 競技種別
    生徒・学生・社会人および男女・年齢・段位・称号など。
    (12) 競技方法
    1. 坐射・立射。(競技規則によらない場合は、記載)
    2. 的中制・採点制・得点制。(併行の場合は、その旨)
    3. 射距離・標的の大きさ・種類(霞・星・得点)・・・例:射距離○m・○p○的
    4. 立人数と射場数および選手間隔。・・・例:○人立×○射場・選手間隔○p。
    5. 総射数・1立の射数・回数。・・・例:1団体○射(各自○射○回)
    6. 予選・決勝の有無と方法。(総射数法・トーナメント法・リーグ法)
    7. 順位の決め方(射詰競射・遠近競射など)
    8. 立番の決め方(予選・決勝)
    9. 1人1標的(持的)・複数人1標的(一つ的)
    (13) 競技規定
    公益財団法人 全日本弓道連盟「弓道競技規則」(および大会要項)による。
    (14) 参加資格
    国民・都道府県民・市民・地連・会員など。
    (15) 参加料
    金額・納入方法。
    (16) 参加申込
    方法・締切日・申込先。
    (17) 選手変更・交代
    届出および変更・交代の時期・方法など。
    (18) 表彰
    表彰内容と順位および賞状・賞品など。
    (19) その他
    1. 緊急連絡先・問合先。
    2. 宿泊申込・弁当申込。(中止の場合の対応)
    3. 助成事業の場合は、助成先。
    4. 選手の着装などについての選手必携を添付。
    5. 必要と思われること。

■第4章 役員の構成

第8条 役員の構成

  1. 大会役員と競技役員は、基本的には区分けして構成する。

第9条 大会役員

  1. 大会役員は、次のとおり
    (1) 名誉会長
     
    (2) 会長
    大会の総責任者
    (3) 副会長
    大会会長の職務補佐(必要な場合配置)
    (4) 顧問
     
    (5) 参与
     
    (6) 委員長
     
    (7) 副委員長
     
    (8) 委員
     

第10条 競技役員

  1. 大会会長のもとに必要な機関を設置して、その運営にあたる。役員構成組織表にて示す。・・・≪巻末図T
  2. 必要に応じて、役員構成組織外の競技役員を置く。
    1. 特別役員
      1. 名誉会長
      2. 顧 問
      3. 参 与
    2. 補佐役員
      1. 職務補佐として、副会長・副委員長など。
      2. 業務補佐として、主任・副主任・補助員など。

■第5章 役員の任務

第11条 総務役員の任務

  1. 総務役員の任務は、次のとおり。
    役員名
    任務・留意事項
    総務委員長
    1. 大会の運営全般に関する総括業務。
    2. 庶務・準備・設営・渉外・審判会議・監督会議・式典・表彰などの計画立案と執行。
    3. 競技委員長と連携して、大会を運営。
    庶務委員長
    1. 大会全般についての庶務的事項を処理。
    2. 審判会議・監督会議・開会式・閉会式(表彰)の準備と運営。
    3. 大会役員・来賓など来場の確認。
    4. 相談・苦情などの受付と処理。
    5. 各部署の出席確認と欠員の補充。
    会計委員
    1. 競技会の予算執行と出納管理。
    受付委員
    1. 大会役員・来賓などの受付。(リボン・プログラム などを渡す)
    2. 監督・選手の受付および確認。(プログラム・ゼッケン などの配布物を渡す)
    3. 団体戦における選手変更および選手交代の受付。
    4. 受付状況を関係部署への連絡。
    本部記録委員
    1. 記録を受け取り、本部記録を作成する。
    2. 記録の保管。作成した記録を掲示委員に渡す。
    接待委員
    1. 来賓・大会役員・選手など控室における湯茶の接待。
    2. 昼食時における湯茶の接待。
    報道委員
    1. 大会期間中における写真撮影の業務。
    2. 報道および関係機関へ正確迅速な大会結果を報告。
    救護委員
    1. 大会会場における救護と救急処置。(医師・看護師の資格者に委嘱)
    2. 救急病院への連絡と対応。
    準備委員長
    1. 準備・宿泊・輸送などに関する業務の統括。
    準備委員
    1. 大会全般に関する実施計画・予算・渉外・申請など事前準備に関する業務。
    宿泊委員
    1. 宿泊計画・配宿・宿泊施設(旅行業者)との折衝など宿泊に関する業務。
    輸送委員
    1. 輸送計画・配車・輸送業者との折衝など輸送に関する業務。
    設営委員長
    1. 設営・警備に関する業務の統括。
    設営委員
    1. 競技会場・練習会場・巻藁練習場・控室などの設営と管理。
    2. 審判会議場・監督会議場などの設営と管理。
    3. 開会式会場・閉会式会場などの設営と管理。
    警備委員
    1. 会場全体の施設外警備。
    2. 選手控室・役員控室・本部室など施設内警備。
    3. 駐車場の安全管理。

第12条 競技役員の任務

  1. 競技役員の任務は、次のとおり。
    役員名
    任務・留意事項
    競技委員長
    1. 競技の執行全般に関する総括業務。
    2. 総務委員長と連携して、競技を執行。
    3. 大会成績の最終確認。
    運行委員長
    1. 射場・的前・場外に関する業務の統括。
    2. 競技の運行責任者であり、競技運行を円滑に執行。
    3. 各分担業務の理解と徹底および連携方法の調整。
    4. 競技開始 5分前に 各係に準備を指示。
      2分前に 役員着席・射場・的前の準備完了を確認。
    5. 荒天候時などの措置については、綿密な計画を立て、全員に明確な伝達。
    射場委員長
    1. 進行・記録・放送・掲示・計時に関する業務の統括。
    2. 的前委員長と連携し、競技を円滑に運行。
    3. 各分担任務の理解と徹底および連携方法の調整。
    4. 適正な競技条件を確保・維持するための処置。
    5. 矢渡しの準備確認。
    進行委員
    1. 選手の行動を把握し、競技を円滑に進行。
    2. 「競技方法と進行上の注意」の掌握と確認。
    3. 進行上の開始宣言は選手入場前、終了宣言は選手退場後に実施。
    4. 射場への誘導および入場指示。
    5. 入口進行委員は、替弓・替弦・替矢を管理。(監督・役員が持参しての入場もある)
    6. 的前の赤旗掲出・撤去を確認した時は、行射の「停止」・「始め」を選手に指示。
    7. 的前の看的表示を確認した後、「起立」・「始め」の号令。
    8. 弦切れの場合は、弓の受渡しおよび替弦処置を速やかに実施。
    9. 「失」の場合は、速やかに対応して処置。
    10. 「遠近競射」時の射場審判委員補佐。
    11. 進行上で審判に関する事柄を、審判に助言・伝達することもある。
    12. 進行上の諸事項に関して、臨機応変に適正かつ円滑に処置。
    記録委員
    1. 競技に関する記録の一切を担当し、正確な競技記録を作成。
    2. 射場毎に、2名(原則)で担当。
    3. 記録作成方法の打合。(本部記録委員との連携)
    4. 的中の記録は(○・×・?)で記入し、「?」は必ず確認。
    5. 個別記録の誤記は、二本線(=)を引いて訂正。
    6. 特に、的前委員および進行委員と連携。
    放送委員
    1. 大会日程・開会式・閉会式・競技の内容と競技進行の概要を把握。
    2. 開会式・閉会式・表彰などの放送を担当。(総務委員長と連携)
    3. 競技進行上に必要な立順・選手名・地連名・成績などを会場全体に放送。
    4. 放送原稿の作成と確認。(運行委員長と連携)
    掲示委員
    1. 競技記録の速報および掲示に関する業務を担当。
    2. 記録速報の作成・発行・掲示・配付方法などの事前打合。
    3. 本部記録委員との連携。(本部記録委員と事前打合)
    救護委員
    1. 大会会場における救護と救急処置。(医師・看護師の資格者に委嘱)
    2. 救急病院への連絡と対応。
    計時委員
    1. 団体戦で、制限時間の設定がある場合に担当。
    2. 2名で担当し、一会場(多数射場)1個の主時計で計時。(補助時計でも計時)
    3. 進行委員の「始め」の号令で、計時開始。
    4. 制限時間の30秒前に、予鈴(一鈴)で合図。
    5. 制限時間の超過を確認して、本鈴(二鈴)で合図
    的前委員長
    1. 的前・看的に関する業務の統括。
    2. 進行委員・的前審判委員と連携し、円滑に競技を運行。
    的前委員
    1. 的場・矢道の整備と管理。
    2. 的・侯串・看的表示板・赤旗・矢拭き布・矢箱・?整備道具などの準備と管理。
    3. 的を侯串2本で設置し、位置・高さ・角度の確認。(最終確認は的前審判委員)
    4. 的前審判委員に射場の行射状況を呼称して伝達。(○番・引分け)
    5. 的前審判委員の的中(得点)判定を、看的委員に伝達する場合もある。
    6. 行射終了後、赤旗の掲出と安全を確認して、矢取りを実施。
    7. 赤旗の掲出・撤去は、第1・第2的前同時(原則)に実施。
    8. 赤旗を掲出する場合。
      1. 行射終了後、矢取りを実施する時。
      2. 的前審判委員の指示を受けた時。(行射中の危険防止など)
      3. 競技が終了した時。
    9. 赤旗を撤去する場合。
      1. 矢取り終了後、的前・矢道の安全が確保された時。
      2. 的前審判委員の指示を受けた時。(行射中の危険解除など)
      3. 行射進行が可能な時。
    10. 「遠近競射」時の的前審判委員補佐。
    看的委員
    1. 的中標示盤の準備と管理。
    2. 的前審判委員の的中(得点)判定報告を受け、的中標示盤に標示。(○×?)
    3. 「?」の場合は、的前審判委員の確認判定を受け、的中標示盤に最終標示。(○×)
    4. 矢取り終了後は、的中標示盤を速やかに複元。(記録委員と連携)
    場外委員長
    1. 会場・招集に関する業務の統括。
    会場委員
    1. 会場全体の整備と管理。
    2. 競技会場内における準備物の設置と管理。
    招集委員
    1. 選手控室から射場控(第1控〜第3控)に選手を誘導。
    2. 最終点呼と立番・立順を確認。
    3. 欠員のある場合は、原則、詰めて招集。
    4. 射場控での替弓・替弦・替矢の置場を選手に明示。(管理は選手)
    5. 弓具(資格)審判委員を補佐し、審判時の弓具置場を選手に指示。

第13条 審判役員の任務

  1. 審判役員の任務は、次のとおり。
    役員名
    任務・留意事項
    審判委員長
    1. 射場・採点・的前・弓具(資格)の審判に関する総括業務。
    2. 競技審判は、公益財団法人 全日本弓道連盟「弓道競技規則」によって執行。
    3. 審判上の責任者であり、競技に対して公正で、かつ適切な判定をくだす。
    4. 審判上の問題は、担当審判委員が協議→審判委員長が決定→競技委員長に報告。
    射場審判委員
    1. 射場(矢道を含む)での審判を行う。
    2. 安全確認および選手の行射位置・行射の有効・無効・失権・失格などを判定。
    3. 行射停止が必要であると判断した場合は、これを宣言し停止させる。
    採点審判委員
    1. 行射の採点審判を行う。
    2. 行射の心気・態度・動作・射法・的中などを採点。(大会の審判規定による)
    的前審判委員
    1. 的前での審判を行う。
    2. 矢の「あたり」「はずれ」または「得点」を判定。
    3. 遠近競射による順位を判定。
    弓具(資格)審判委員
    1. 選手が使用する弓具の適否を判定。(着装点検をすることもある)
    2. 弓具を否と判定した場合は、改善を指導し、改善がなければ失権と裁定。
    3. 資格審判員と変更になった場合は、選手の出場資格などを調査し適否を判定。

■第6章 役員の配置

第14条 総務役員席

  1. 大会の運営にあたり、役員間の連携と協力が円滑にできる場所に、大会本部と受付本部を設置。
    役員名
    設置場所など
    総務委員長
    1. 競技の実施状況が把握できる、射場脇正面および大会本部。
    庶務委員長
    1. 大会本部。
    庶務委員
    1. 大会本部。
    会計委員
    1. 大会本部。
    受付委員
    1. 会場入口付近に設置した、受付本部。
    本部記録委員
    1. 大会本部。
    接待委員
    1. 来賓・大会役員・競技役員・選手などの控室付近。
    報道委員
    1. 報道および関係機関と打合せができる場所。
    救護委員
    1. 大会本部付近の静かな場所。
    準備委員長
    1. 大会本部。
    準備委員
    1. 受付本部。
    宿泊委員
    1. 受付本部。
    輸送委員
    1. 輸送車駐車場・配車管理場所。
    設営委員長
    1. 大会本部。
    設営委員
    1. 受付本部および関連場所。(競技会場・練習会場・巻藁練習場・控室・審判会議・監督会議場・式典会場など)
    警備委員
    1. 受付本部および関連場所。(会場警備・駐車場管理・輸送管理など)

第15条 競技役員席

  1. 競技の執行にあたり、役員間の連携と協力が円滑にできる場所に設置。
    役員名
    設置場所など
    競技委員長
    1. 射場・矢道・的場が視野に入り、競技の実施状況が把握できる、射場脇正面。
    招集委員
    1. 射場・矢道・的場が視野に入り、競技の運行状況が把握できる、競技役員席。
    運行委員長
    1. 射場全体が見え、競技進行の把握と関連役員との連携がとれる、競技役員席。
    射場委員長
    1. 選手の行動が把握でき、競技を円滑に進行できる、射場内と入場口。A 競技の規模・内容・方法および射場の数・状況によって、適所に配置。
    進行委員
    1. 射場・的場の状況把握ができる、競技役員席。
    2. 審判委員の看的表示および的中標示盤の見易い位置。
    3. 記録委員の任務遂行に支障のない位置。
    記録委員
    1. 射場・的場の状況把握ができる、競技役員席。
    2. 放送委員の任務遂行に支障のない位置。
    放送委員
    1. 競技役員席で、掲示委員の任務遂行に支障のない位置。
    掲示委員
    1. 射場・的場の状況把握ができる、競技役員席。
    2. 計時委員の任務遂行に支障のない位置。
    3. 射場全体が見え、競技進行の把握と関連役員との連携がとれる位置。
    計時委員
    1. 的場全体が視野に入り、競技進行の把握と関連役員との連携がとれる、看的所内ままたたはは矢道幅外で安全が確保できる場所。
    的前委員長
    1. 的場全体が視野に入り、競技進行の把握と関連役員との連携がとれる、看的所内ままたたはは看的所付近で安全が確保できる場所。
    的前委員
    1. 看的所内または看的所付近で安全が確保できる場所。
    看的委員
    1. 大会本部または会場の状況把握と管理できる場所。
    場外委員長
    1. 会場の整備と管理ができる場所。
    会場委員
    1. 選手入場控所および選手控室。

第16条 審判役員席

  1. 審判委員が、競技規則により審判できる位置に設定。・・・≪巻末図III−1〜4
    役員名
    設置場所など
    審判委員長
    1. 射場・矢道・的場が視野に入り、運行状況が把握できる射場脇正面。
    射場審判委員
    1. 射場全体が視野に入り、進行状況の把握と行射審判のできる位置。
    2. 1射場の場合は、2人以上配置。
    3. 複数射場の場合は、各射場に1人以上配置。
    採点審判委員
    1. 射場・的場が視野に入り、選手の入退場・行射がよく見える、射場脇正面。
    2. 行射の心気・態度・動作・射法・的中などを採点。(大会の審判規定による)
    的前審判委員
    1. 的場全体がみえ、進行状況・(的中標示)の把握と的中審判のできる位置。
    2. 看的所内または矢道幅外で安全が確保できる位置。
    3. 1射場の場合は、2人以上配置。(的場前後または的場前2人)
    4. 1複数射場の場合は、各射場に1人以上配置。
    弓具(資格)審判委員
    1. 弓具置場全体が視野に入り、選手から見える位置。
    2. 選手入場控所の第3控付近。
    3. 弓具点検用の弓・矢置場を設置。
    4. 11人以上を配置。

■第7章 競技の運行

第17条 矢渡しの運行

  1. 演武者が、ゆとりを持って演武できるように、配慮する。(目くばり・気くばり)
    1. 射場委員長
      1. 開会式終了後、射場・的前準備を確認する。
      2. 演武者の準備を確認して、「宜しくお願い致します」と、依頼し放送に合図する。
      3. 「只今から、矢渡しを行います」の放送終了を確認して、射手に入場を促す。
    2. 放送委員
      1. 開会式終了時に、「開会式終了後、矢渡しを行います。観覧席にてご覧下さい」と、放送。
      2. 射場委員長の合図を受け、「只今から、矢渡しを行います」と、放送。
      3. 射手が入場し、礼が終る頃、「演武者を紹介します。射手:○士○段 □□□□。第一介添:○士○段 □□□□。 第二介添:○士○段 □□□□。 以上の先生方です」と放送。
      4. 矢渡し終了後、「○時○分から競技を開始します」と、放送。

第18条 競技進行の宣言

  1. 主進行の宣言・号令
    開始宣言
    • *準備完了を確認して
    1. 脇正面中央の程良い位置へ進む。
    2. 一礼・・「開始宣言」・・一礼。
    3. 一歩さがり、自席へ戻り、入場指示。
    4. 自席椅子へ着席。
    補足
    • (1)お互いに意が伝わる位置。(7m程度手前)
    • (2)只今から、「○○○○」を開始します。
    • (4)(停止体、 左 180度回り)
    終了宣言
    • *選手の退場を確認して
    1. 脇正面中央の程良い位置へ進む。
    2. 一礼・・「終了宣言」・・一礼。
    3. 一歩さがり、自席へ戻り着席。
    補足
    • (1)お互いに意が伝わる位置。(7m程度手前)
    • (2)以上で、「○○○○」を終了します。
    • (3)(停止体、 左 180度回り)
    前立がいない時
    • *選手の跪坐(着席)を確認して
    1. 道場中央の本座の後方へ進む。
    2. 座射「始め」(選手の状態を確認して)
      立射'「起立」・・3秒・・「始め」。
    3. 選手が、射位へ進めば自席へ戻る。
    4. 自席椅子へ着席。
    補足
    • (2) 選手は、揖をして立ち、射位へ進む。
      (2)'選手は、「起立」で椅子から立ち本座へ進み、「始め」で揖をして、射位へ進む。
    • (3)(停止体、 右 180度回り)
    • (4)(停止体、 左 180度回り)
    前立がいる時
    • *最後の弦音を確認して
    1. 道場中央の本座の後方へ進む。
    2. 座射「始め」(選手の状態を確認して)
      立射'「起立」・・3秒……「始め」。
    3. 選手が、射位へ進めば自席へ戻る。
    4. 自席椅子へ着席。
    補足
    • (1)退場選手の邪魔にならないように。
    • (2)選手は、揖をして立ち、射位へ進む。
      (2)'選手は、「起立」で椅子から立ち本座へ進み、「始め」で揖をして、射位へ進む。
    • (3)(停止体、 右 180度回り)
    • (4)(停止体、 左 180度回り)
    トーナメント戦・同中競射時
    • *最後の弦音を確認して
    1. 道場中央の本座の後方へ進む。(看的表示の確定を確認して)
    2. 「只今の結果、 第1射場 ○中 第2射場 ○中 同中により、(再度)競射を行います。」
    3. 「始め」(選手の状態を確認して)
    4. 選手が、射位へ進めば自席へ戻る。
    5. 自席椅子へ着席。
    補足
    • (1)選手は、射終われば本座にさがり、跪坐して待つ。
    • (2)進行係は、替矢(一手)を受取り選手に渡す。
    • (3)選手は、揖をして立ち、射位へ進み行射する。甲矢:射終われば、本座で跪坐して待つ。同中の時は、射位へ進み、乙矢を行射する。  乙矢:射終われば本座で跪坐して待つ。
    • (4)(停止体、 右 180度回り)
    • (5)(停止体、 左 180度回り)
    トーナメント戦・同中競射時
    • *最後の弦音を確認して
    1. 道場中央の本座の後方へ進む。(看的表示の確定を確認して)
    2. 「只今の結果、 第1射場 ○中 第2射場 ○中よって、□射場の勝ち、退場。」
    3. 選手が、退場すれば自席へ戻る。
    4. 自席椅子へ着席。
    補足
    • (1)選手は、射終われば本座にさがり、跪坐して待つ。
    • (2)選手は、本座で揖をして退場。 ※放送委員は、チーム名も入れて放送する。
    • (3)(停止体、 右 180度回り)
    • (4)(停止体、 左 180度回り)
    [注意点]
    1. 姿勢を正して歩行。
    2. 動作・礼は正しくしっかりと。
    3. 発声は、大きな声でハッキリと。
  2. 委員の処置事項
    1. 弦切れの場合
      1. 各射場の進行委員は、直ちに弓を受取りに行く。
      2. 入口進行委員は、該当替弦を運び、進行委員と弦を張る。(監督がいる時は監督)
      3. 各射場の進行委員は、弓を選手に渡しに行く。
    2. 替弓の場合
      1. 各射場の進行委員は、直ちに弓を受取りに行く。
      2. 入口進行委員は、該当替弓を運び、各射場の進行委員に渡す。
      3. 各射場の進行委員は、弓を選手に渡しに行く。
    3. 失または持矢棄権の場合
      1. 選手が失または持矢棄権で、矢を右横前方へ出した場合は、速やかに矢を受取りに行く。
      2. 最後の矢の場合は、選手が持って退場する。
    4. 赤旗掲出の場合
      1. 主進行委員は、すみやかに(安全を確保して)選手の行射を中断させる。
      2. 赤旗撤去を確認して、選手に再開を指示する。
    5. 異議申立があった場合
      1. 主進行委員は、申出を受け、関係役員へ取次ぎ、適正な処置をする。

第19条 射詰競射の運行

  1. 近的競技の場合(持的)
    1. 行射は、立位置の前から詰めて行う。
    2. 的数より該当人数が多く、最後の組が1人となる組合せの場合は、その直前組の落が下がり、2人で行う。
    3. 1番の前方が狭く、行射人数が的数より少なくなった場合は、1番的を外し、2番の位置から行ってもよい。(役員が指示する)
    4. 行射人数が、的数より少なくなっても、的はそのまま残す。または、不要な的を外してもよい。
  2. 遠的競技の場合(一つ的)
    1. 行射は、立位置の前から詰めて行う。
    2. 立数より該当人数が多く、最後の組が1人となる組合せの場合は、その直前組の落が下がり、2人で行う。
    3. 1番の前方が狭く、行射人数が立数より少なくなった場合は、2番の位置から行ってもよい。(役員が指示する)

第20条 遠近競射の運行

  1. 遠近競射の方法
    1. 的の設置と行射位置
      1. 的は一つで、射場中央(原則)で行射する。
      2. 状況によっては、複数的・複数位置での行射も可。
    2. 行射の方法
      1. 2名が入場し、本座で揖をして射位へ進む。
      2. 射位へ進む頃、次の選手1名が入場し、2番立の本座で揖をして待つ。
      3. 射終われば、「前へ進み」指示された場所で正坐して待機する。
      4. 残る2人は、次の要領で移動する。
        1. 坐射:行射選手の *弓倒し(または弦音)で筈を保ち *物見返しで腰を切り *閉じ足で立ち *前の選手に合せて前進。
        2. 立射:行射選手の *弓倒し(または弦音)で筈を保ち *物見返しで弓を捧げ *閉じ足で足を閉じ *前の選手に合せて前進。
      5. 同様にして、順次繰り返す。
  2. 審判の方法
    1. 的前審判
      1. 的をはさみ、上座側に(A)審判員・下座側に(B)審判員が蹲踞し、その横に(C)的前委員(原則:委員長)が立つ。
      2. (A)審判員が、上位の矢を指差し、(B)審判員が確認する。
      3. (B)審判員が、左手で的を押え右手で矢を抜き、羽根を上にして(C)的前委員に渡す。
      4. (C)的前委員は、矢を「左手」で受取り、羽根を上にして「右手」に持ち替える。
      5. 最初の矢は、射付節の下辺りを持ち、射場から見えるようにかざしておく。
      6. 同様にして、順次繰り返す。
      7. (C)的前委員は、上位の矢から、順次、下へ10cm程度ずらして持つ。(最大5本が目安)
      8. 確認後、(C)的前委員は射場に向き、「右手で矢をかざし」左手を腰前におく。
      9. その姿勢で矢道中央を通り、歩いて射場に向かう。(走らない)
      10. 射場前端で射場委員と正対し、立った姿勢で矢を指差し「上から上位です」と発声後、差し出す。
      11. (C)的前委員をおかず、(A)審判委員が(C)的前委員の作法を行っても可。
      12. (A)審判委員が行う場合は、C以降、使う手が左右逆となる。
    2. 射場審判
      1. 射場委員(原則:委員長)は、射場前端(框)で(C)的前委員と立った状態で正対する。
      2. (C)的前委員から差し出された矢を、「右手」で最上位矢射付節の上辺り(相手の拳上)を持つ。
      3. 「右手で矢をかざし」脇正面に向き、さらに回り後方に待機する選手と正対する。
      4. 矢を指差しながら「上から○位〜○位です」と発声する。
      5. 「該当する選手は、ゼッケンNo.と名前を大きな声で発声して下さい」と言う。
      6. 左手で筈を持ち、矢尻が右手の下にくるように持ち上げ、左に少し倒す。
      7. 射付節辺り(または、本矧の下)を持ち、右手から抜き出し、選手にかざす。
      8. 手は、利き手を使う。(所作をし易くする持ち替えは可)
      9. 該当選手が確認し「ゼッケンNo.」と「名前」を発声する。
      10. 確認後、順位を宣言し「ゼッケンNo.」と「名前」を復唱し、該当選手に矢を渡す。
      11. 同様にして、順次繰り返す。
      12. 順位決定が終われば、「起立」・「退場」と宣言する。
      13. 選手は、揖をして退場する。
    3. 審判時の注意事項
      1. 公正・迅速を心掛ける。
      2. 2名の的前審判委員で判定する。
      3. 矢は、必要な数のみ抜く。
      4. 不必要な、矢の持ち替えはしない。
      5. 多くの人から見えるように行う。

第21条 射位への進み方

  1. 次の立が射位へ進む方法 *進行委員の指示がない場合 
    1. 坐射
      1. 本座で坐して待つ。
      2. 最後の弦音で揃って揖を行い、弓倒しで立つ。
      3. 選手が後退して右に一歩踏み出すとき、射位に進む。
    2. 立射
      1. 本座の一歩手前で立って待つ。(椅子の使用可)
      2. 最後の弦音で本座に進み、揃って揖を行う。
      3. 選手が後退して右に一歩踏み出すとき、射位に進む。

■第8章 式典

第22条 開会式

  1. 式典運行
    1. 司会進行は、総務委員長が行う。(放送委員が代行する場合もある)
        ≪進め方≫
      1. 一同礼:総務委員長
      2. 開式通告:大会委員長
          「只今から、○○大会の開会式を行います」
      3. 選手団入場:総務委員長
      4. 開会宣言:大会副会長
      5. 国旗・連盟旗に儀礼(国歌斉唱) :放送委員
      6. 優勝旗(杯・楯)返還:大会会長[正面にて受取る]
      7. レプリカ授与(大会により) :大会会長
      8. 大会会長 挨拶:大会会長
      9. 来賓など 挨拶:来賓など
      10. 歓迎の言葉(大会により) :歓迎者
      11. 競技上の注意:競技委員長
      12. 審判委員紹介:総務委員長
      13. 選手宣誓:大会会長
          [選手は、正面中央の前に出る] [大会会長が正面に立つ]
      14. 閉式通告:大会委員長
      15. 一同礼:総務委員長
      16. 選手団退場:総務委員長
      17. 来賓・大会役員・競技役員退場:総務委員長
        ※注意事項
        1. 開式通告で、開会宣言を兼ねる場合がある。
        2. 優勝旗返還がない場合あり。
        3. 選手宣誓がない場合あり。
        4. 歓迎アトラクションなどがある場合は、選手宣誓後に実施。
        5. 放送委員が、放送にて進行する場合もある。(総務委員長が指示し放送)
  2. 式典会場
    1. 競技射場内で行う場合。・・・≪巻末図IV−1
      1. 脇正面を正面として、整列する。
      2. 向かって左側に、来賓が整列する。
      3. 向かって右側に、大会役員・審判員・競技役員が整列する。
      4. 競技役員は、式典を進行する総務委員が先頭に整列する。
      5. 選手は、中央に整列する。
    2. 射場と矢道を利用して行う場合。・・・≪巻末図IV−2・3
      1. 矢場から見て、射場を正面とする。
      2. 射場の左側に、来賓が整列する。(平行または斜め)
      3. 射場の右側に、大会役員・審判委員が整列する。
      4. 競技役員は、矢場右側で、式典を進行する総務委員が先頭に整列する。
      5. 選手は、矢場中央に整列する。
      6. 司会を担当する総務委員長・放送委員は、射場内に配置。

第23条 閉会式

  1. 式典運行
    1. 司会進行は、総務委員長が行う。(放送委員が代行する場合もある)
      ≪進め方≫
      1. 一同礼:総務委員長
      2. 開式通告:大会委員長
          「只今から、表彰式ならびに閉会式を行います」
      3. 選手団入場:総務委員長
      4. 成績発表:競技委員長
      5. 表彰:大会会長
      6. 講評:審判委員長
      7. 大会会長 挨拶:大会会長
      8. 来賓など 挨拶:来賓など
      9. 国旗・連盟旗に儀礼(国歌斉唱) :放送委員
      10. 閉会宣言:大会副会長
      11. 閉式通告:大会委員長
      12. 一同礼:総務委員長
      13. 選手団退場:総務委員長
      14. 来賓・大会役員退場:総務委員長
        ※注意事項
        1. 選手の整列は、原則全員であるが、入賞者・関係者など制限する場合がある。 (制限する場合は、要項・選手必携など明示しておく)
        2. 協賛・後援などの表彰がある場合は、主催側の表彰に続いて行う。 (表彰の順番を、事前に決めておく)
        3. 講評は、大会会長の挨拶の中で行う場合もある。
        4. 来賓挨拶がある場合は、事前打合せをしておくこと。
        5. 閉式通告で、閉会宣言を兼ねる場合がある。
        6. 放送委員が、放送にて進行する場合もある。(総務委員長が指示し放送)
  2. 式典会場
    1. 競技射場内で行う場合。・・・≪巻末図IV−1
      1. 脇正面を正面として、整列する。
      2. 向かって左側に、来賓が整列する。
      3. 向かって右側に、大会役員・審判員・競技役員が整列する。
      4. 競技役員は、式典を進行する総務委員が先頭に整列する。
      5. 選手は、中央に整列する。
    2. 射場と矢道を利用して行う場合。・・・≪巻末図IV−2・3
      1. 矢場から見て、射場を正面とする。
      2. 射場の左側に、来賓が整列する。(平行または斜め)
      3. 射場の右側に、大会役員・審判委員が整列する。
      4. 競技役員は、矢場右側で、式典を進行する総務委員が先頭に整列する。
      5. 選手は、矢場中央に整列する。
      6. 司会を担当する総務委員長・放送委員は、射場内に配置。

■巻末図

図I−1 役員構成組織図

補足:マニュアルでは、先行して新役職・編成替をしておくが、競技規則はそのままにしておく

[注意]各役員は、横の連携を密にして執行する。

図II−1 近的射場 坐射 5人立×1射場

持的 射場審判席脇正面

図II−1 近的射場 坐射 5人立×1射場

図II−2 近的射場 坐射 3人立×2射場

持的 射場審判席後方

図II−2 近的射場 坐射 3人立×2射場

図II−3 遠的射場 立射 5人立×1射場

標的 1個射場審判席脇正面

図II−3 遠的射場 立射 5人立×1射場

図II−4 遠的射場 立射 3人立×2射場

標的 1個射場審判席脇正面

図II−4 遠的射場 立射 3人立×2射場

図III−1 近的 1射場

射場審判席脇正面 的前審判席矢道両側

図III−1 近的 1射場

図III−2 近的 2射場

射場審判席後方  的前審判席矢道両側

図III−2 近的 2射場

図III−3 遠的 1射場

射場審判席脇正面 的前審判席矢道両側

図III−3 遠的 1射場

図III−4 遠的 2射場

射場審判席後方  的前審判席矢道両側

図III−4 遠的 2射場

図IV−1 開会式・閉会式 射場

図IV−1 開会式・閉会式 射場

図IV−2 開会式・閉会式 射場+矢道

図IV−2 開会式・閉会式 射場+矢道

図IV−3 開会式・閉会式 射場+矢道

図IV−3 開会式・閉会式 射場+矢道


■改定情報


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