弓道競技規則 第1章 総則
■1.目的
- 第1条
- この弓道競技規則(以下「規則」という)は、財団法人 全日本弓道連盟(以下「全弓連」という)並びに全弓連に加盟する地方連盟(以下「地連」という)の主催・主管する競技が、安全・円滑、かつ公正に運営されることを目的として制定する。
■2.適用の範囲
- 第2条
- この規則は、全弓連並びに地連の主催・主管する競技に適用する。
- 第3条
- この規則を適用する競技に関係する選手・監督・役員は、この規則を熟知し、遵守しなければならない。
- 第4条
- 大会の諸条件により、
-
- この規則により難しい場合や、明示されていない事項については、特別の規則を設定することができる。
- 特別の規則を設定する場合は、要項に明示するか、競技開始にあたり競技委員長は、その内容を事前に説明し、周知徹底をはからなければならない。
■3.競技の種目
- 第5条
-
競技の種目は、射距離により近的競技と、遠的競技とする。射距離とは、選手(選手の体の中心)、および的の中心を含む各々の垂線との距離をいう。
■5.競技の種別
- 第7条
- 競技の種別は、生徒・学生、および社会人等、男女・年齢、段位・称号等の構成により分けることができる。
■6.競技の方法
- 第8条
- 競技は、的中制・採点制・得点制のいずれかの方法で行う。また、併せて行うことができる。
- 第9条
- 近的競技は坐射、遠的競技は立射とする。ただし、これによらない場合は、あらかじめ要項に明示するか、競技開始前に競技委員長が宣言する。坐射での行射が困難で立射を希望する場合は、大会参加申し込みと同時に理由を付した文章を提示し、大会会長の許可を得る。
- 第10条
- 本座と射位の間は、近的競技は3歩とし、遠的競技は2歩とする。
- 第11条
- 射位における選手相互の間隔は、近的競技は180cm以上、遠的競技は130cm以上とする。ただし、これによらない場合は、要項に明示するか、競技開始間に競技委員長が宣告する。
- 第12条
- 行射の順序は個人競技、団体競技いずれの場合も、射場毎に立順に従い、射場の1番の選手から順次行射する。
- 第13条
- 競技は次による。
-
- 総射数法
- トーナメント法
- リーグ法
- 第14条
- 競技の種目、種類、種別、その他競技に必要な項目については、あらかじめ要項に明示しなければならない。
- 第15条
- 行射の間合いは別表1定める「競技における行射の要項」を基準とする。
- 第16条
- 団体競技における制限時間は、競技の方法(坐射・立射)、参加人員等により相違があるが、行射時間は次による。これにより難い場合は、あらかじめ要項に明示するか、競技開始前に競技委員が宣告する。選手は、これを守らなければならないが、制限時間を超過した場合、それ以降に離れた矢は無効、残った矢は失権とする。
-
- 競技時間の計測は、本座における進行委員の「始め」の号令により始まり、最後の選手の弦音で終了とする。
- 制限時間30秒前に予鈴をならし、制限時間に本鈴で合図する。
- 弦切れ、その他の自団体内に起因する事故の場合は、時間延長はしない。
- 審判委員の指示により、競技が停止された時間は、制限時間より除外する。団体競技の行射制限時間は、右表を基準とする。これにより難い場合は要項にその制限時間を明示しておかなければならない。
行射時間
3人立 |
坐射 |
各自4射 |
7分以内 |
各自2射 |
4分以内 |
立射 |
各自4射 |
6分以内 |
各自2射 |
3分30秒以内 |
5人立 |
坐射 |
各自4射 |
10分以内 |
各自2射 |
7分以内 |
立射 |
各自4射 |
9分以内 |
各自2射 |
6分以内 |
■7.選手の変更・交代
- 第17条
- 選手変更・交代は次の方法による。
-
- 個人競技 選手の変更は、その理由を問わず認めない。
- 団体競技
- 選手変更を要する場合は、定められた日時までに、文章を以て提出しなければならない。変更した選手は交代ではないので出場できる。
- 競技開始前から欠員のある団体の出場は認められない。ただし、競技開始後において事故発生のため登録選手に欠員が生じてもチームの構成員の半減を割らない限り団体とみなす。
- 半数を越える欠員が生じた時は、失格となる。ただし、この競技が個人競技を兼ねている選手についてはこの限りではない。
- 登録した選手の間で競技開始後に「選手交代」をすることができる。
- 交代による選手の立順の移動はできない。
- 交代した選手は再び出場できない。
- 1回(1立)の行射途中には交代できない。
- 失格により退場を命じられた選手の欠員を補うための交代はできない。
■8.役員の構成
- 第18条
- 競技は大会会長のもとに次の役員により、それぞれ必要な機関を設置してその運営にあたる。役員構成組織図を別表2に示す。
- 第19条
- 競技委員長は総務委員長と密接な連携をとり、ともに競技運営に従事する。
-
- 総務委員長競技会の運営全般にかかわる渉外、設営、警備、庶務事項をいっさい担当する。
- 競技委員長
- 競技の執行責任者であり、競技の進行に関する全般の進行に関する全般の諸事項を担当する。
- 競技には、競技委員長のもとに審判委員長、および運営委員長をおき、更に業務により分担委員をおいて各々責任者を決める。必要に応じ各分担業務に補助員をおくことができる。
- 競技委員長は、諮問機関として競技運営委員をおくことができる。
- 第20条
- 審判委員長は、審判上の責任者であり、競技に対して公正で、かつ適切な判断をくだす。審判委員は射場審判委員、採点審判委員、的前審判委員とに分ける。審判上の問題が生じた場合は、一時競技を停止し担当審判委員が協議し、審判委員長が決定する。
-
- 射場(矢道を含む)審判は、射場審判委員が行い、選手の位置、行射の有効、無効、または安全を確認し、失権・失格等を判定する。その結果、審判委員長は、行射停止が適当であると認めた時は、これを宣告しなければならない。
- 採点審判は、採点審判委員が行い、各審判委員ごとに各選手の行射(心気、態度、動作、射法、的中等)を採点し、得点はその総合点とする。
- 的前審判は、的前審判委員が行い、矢の「あたり」、「はずれ」、または「得点」、および遠近競射による順位を判定する。
- 弓具審判委員は、選手が使用する弓具の適否を判定する。
- 第21条
- 運営委員長は、運行上の責任者であり、競技運行を円滑に行う。運行委員は、射場委員、的前委員、および場外委員に分け、更に細分化することができる。
- 第22条
- 競技役員は競技の運営に専念する義務がある。また、原則として当該競技会の選手を兼ねることはできない。
■9.弓具及び服装の規定
- 第23条
- 競技には日本弓(和弓)を使用する。
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- 弓
- 弓の長さは221cmを基準とし、若干の長短を認める。
- 握りの位置は末弭から約3分の2の所にある。
- 弓には、照準のための装置や目印をつけたり、類似のことをしてはならない。
- 矢摺籐の長さは、籐頭より6cm以上とする。
- 矢
- 箆の太さは、6mm以上とする。
- 羽根の長さは、約9cm〜15cmとする。
- 羽山の高さは5mm以上とする。
- 矢尻はかぶせ式とし「平題形」、「椎形」「円錐形」のいずれでもよい。
- 筈は埋込み式で筈巻がある。
- 矢に引込み位置等を示す目印をつけたり、類似のことをしてはならない。
- ユガケ
行射中は必ずユガケを着用する。ユガケは三つガケ、四つガケ、諸ガケの3種類とする。
- 第24条
- 全弓連が関与する代表的大会に着用する弓道衣は、男子・女子とも白筒袖・黒袴・白足袋とする。
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- 全日本男子弓道選手権大会
- 全日本女子弓道選手権大会
- 全日本弓道遠的選手権大会
- 全日本勤労者弓道選手権大会
- 国民体育大会弓道競技
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