【ボカ】未読のため太陽書房の概要から引用。歴史的価値が高い様だ。
http://www.taiyo-g.com/shousai77.html古今第一級、日置流弓術の奥義書。
近世武芸関係の伝書類は散逸してしまう事が多く、たまに古書店に顔を出す事もあるが、関連文書から引き離されて、いわば丸裸の状態でバラバラに世に出るこ とが多い。したがって、師範家の伝書が伝承されて来たその土地に歴史的背景をたっぷりと持ちながら、丸々残されているのは稀有の幸運といわなければなるま い。まして足守藩吉田家の祖・吉田源五兵衛経方は、日置流印西派唯授一人を受けており、日置流正脈の伝書である事が判明してみると、その史料価値も大変高 いものといえる。
その伝書数は計八十二点に及ぶが、なかでも弓術関係の内容は、目録・講釈・問答・系図・教歌など、弓の技術から作法・歴史とまことに多彩となっている。
吉田源五兵衛経方が、足守藩主木下利當(鎗術の達人で木下流又は淡路流と称す鎗の流祖)に「客分」として召出されたのは承応二年(一六五三)である。私達 は今、三百年を越えるタイムカプセルを開けようとしているのである。足守文庫から「吉田家弓術文書」の全部を写真に撮るため借出して、伝書の現物を一堂に 並べたとき、立会いの人々の間に異様な興奮が渦巻いた事を報告しておこう。
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これまで他姓に向けた伝書が単発的に公表された事はあるものの、日置流の唯授一人の宗家伝書類が表に出てきた事はない。第一級の弓術史料群であると信じる だけに、弓を志す人々に広く研究参照されることを願っており、興味のある方はぜひこの史料を活用して頂きたく紹介する次第である。