【ボカ】弓道を武道として学校の授業で教えるための指導の手引書。弓道教本などのエッセンスをシンプルにまとめてありわかりやすい。特に気に入っている一説は第一章の以下の文節である。
弓道指導の手引き 第一章 武道の特性 4 武道における勝敗の態度多くのスポーツでは、勝者が喜びの表現として「ガッツボーズ」などを行うことはよく見られる光景である。しかし、武道ではこれに類する光景は少なく、厳に慎むべきこととされている。
それは、武道では、試合を行う二人の関係は、「道」(人間としての生き方、在り方)を共に学び合う仲間同士であり、決して敵と見方という対立的な関係でないという考え方があるからである。
したがって、たとえ自分が勝ったとしても、勝つことのできたその試合が成立したのは、相手という大切な存在があったからであり、それと同時に互いが目指す究極の目標は「道」を極めることであり、試合の勝敗にのみこだわることは厳に慎むことであるという考え方が重視されているのである。