指導のキモ〜押す?分ける?〜 (投稿13件)[1〜13]


1:きーとんさん
そろそろ新入生が入って、勧誘合戦の後、指導が始まります。ある程度引けるようになってからのことになるとは思うのですが、それは”押す”射から”分ける”射への転換です。これについてお尋ねしたいと思います。
初心者から始めて、10K前後の弓で90cmも矢尺を引くと、大半のヒトは押す、ツッ張るから始まると思います。しかしより中るためには、いつかは、分ける、開く射への転換が必要なのではと思うようになりました。もちろん、3重十文字、5重十文字、矢筋への伸びなど基本が大切なのは重々わかります。ですがそれら基本的事項を達成させるためにも、分ける、開く射が良いのではないかと考える様になりました。
開く射への指導法はこうだとか、開くよりも押して矢筋を意識させるほうがいいなど、指導する側の意見も聞いてみたいです。
よろしくお願いします。

2:弓遊び2号さん
とぉっても、難しい命題ですね。
開く射が何を意味しているのかがはっきりしませんが、一応私のイメージしている開く射のことについて、書かせていただきますね。

開く為には、手先の力を抜いて、弓を支える方法を覚えねばなりません。そのために最も必要なことは、私の個人的な意見としては、道具の適正な使い方をまず憶えることだと思います。例えば正しくゆがけを手入れして、正しく差して、正しく使用すると、ゆがけは弦を会まで支え、離れの瞬間にはスパッと弦を離してくれます。押したり引いたり、無駄な力はいりません。
結局上達とは、道具を正しく使いこなせるようになることだと、最近は思うようになりました。そのことを考えると、あまりにも若い人たちは、お粗末な道具の使い方をしています。たとえて言えば、筆をえんぴつのようににぎって、すばらしい筆文字を書こうとしているような・・・教える側の責任は重大ですね。
なんだかまとまりませんね。ごめんなさい。

3:きーとんさん
いや質問を限定しすぎてしまいましたかな。
弓遊び2号さん、そうですね、分ける開く射は確かに道具に合わせるやり方を重視すると思います。左右の手の内、十文字も道具に合わせた高い完成度を要求されると思います。
逆に、とりあえず押して(弓手至上主義ともいえますかね)、できるだけ矢尺を取り、馬手で大きく離す射について考えたいと思います。
道具をまったく無視してもできると思います。しかしこれは筋骨が太い、肩が前寄りについてる、猿腕じゃない、毎回同じ動作を行えるハートがある、と生まれ持った肉体精神を持たないものは結果を出しにくいと思います。
あと、右手の感覚を重視して離す傾向が強いと思われるので、矢数をかなりかけなければ的中も維持しにくいと思います。
とりあえず、弓手至上主義、馬手大離れ主義の弱点を自分なりに書いて、早く分ける射を身につけてほしい方向に導いてみましたが、いかがでしょうか。
ちなみに私は学生弓道に身をおいて、特に指導者もいない状況で、学生間の指導が主です。あと正面打起しでやっていることを付け加えておきます。

4:風雅さん
初めて書き込みをさせて頂く、風雅というものです。よろしくお願いします。

私も開く射と言うのが何を指すのか良く分かりませんが、「押す・引く射」を手先による行射、「開く射」を教本の射と解釈し書き込ませて頂きます。

現在の弓道連盟が推奨している射は、きーとんさんが仰る「開く射」では、ないかと思います。
ですの最初から開く射で指導されては如何かと思います。

私は、とにかく三重十文字(特に肩の線)を揃えて崩さない様に、両腕が円弧を描く様にという事を最初から意識させて指導しています。
その円弧に分ける力が直線の矢通りになるよう意識させています。
「開くよりも押して矢筋を意識させるほうがいいなど」という記述がありましたが、私は、「開く事により矢筋を意識させる様に指導してます。

私も学生の時は、特にあまり指導を受けれる環境になかったので、きーとんさんの苦労もなんとなくわかります。
私は、学生の頃あまり弓道教本を読まなかったのですが、読み返すうちにやはり「良いこと書いてあるな〜」痛感しました。
ですので、悩んだらまず弓道教本を読み返されては如何かと思います。
1巻から4巻まで読み返すと悩みの答えやヒントが見つかる思います。

追記:
 あまり関係がないかも知れませんが参考までに、「全開後閉」という事が弓道教本4巻に載っていたと思います。また、力が割合は、体の中心が10で手先が1だという説明がある本に載っていました。

5:Y.K.さん
押す射と分ける射は異なるものという解釈のようなので、最初から分ける射で一貫して指導するという風雅さんの方針は自分も賛成です。
でも初心者にとっては結構難しいんですよね。自分もそれっぽいものができたかな〜って思うようになるまでかなり時間がかかりました。

自分の意見としては、きーとんさんが実際にお手本を見せて、「これを真似して引きなさい」というのが一番手っ取り早いと思います。
初心者は弓の引き方のイメージはなかなかできないものですし、特に男を相手に指導するときはちゃんと論理的に説明したり実際に的中させて説得したりしないと理解してくれないものですので、
分ける射の方法がどのようなものであろうと、説明するのみでなく実際に本人が手本を見せることが必要不可欠のように思います。

また技術的な意見としては、分ける射では腕力に頼らずに矢を飛ばすことになるでしょうから、そのためには手の内・取りかけを100点満点に仕上げることも必要だと思います。

6:きーとんさん
なるほど。皆さん御意見ありがとうございます。
実際の開く概念を知ることが難しいですよね。実際に自分が指導するキモは、風雅さんと重なります。それを実行するために、早めに、指導側として、適正な矢束を見極めてあげるようにも心がけてます。後はそうですね、打起しが適当すぎて、高くなる傾向があるので、肩が上がらないギリのラインで、意外と低めにとか指導する例が多いです。高く大きく引くのは、若者らしくいいかもしれませんが、体幹部に力が集まってきません。
あと、教えるときの言葉は〜のように、〜な感じでは無く、ひじの位置はこうとか、具体的に言うことを心がけてます。
最初から分けるのを教えたいですね。だけど、なかなか転換ができない場合、今の射系で中てる方向に導くほうが、いいようにも。うーん。

7:ラモーンさん
やはり練習の内容によると思います。例えば「分ける」射ならば筋トレやすびきを多くとりいれなければ感覚が分かりにくいのでは?と。一方「押手引き」のほうは確かに射数をこなさなければですが、中てる感覚は掴みやすい気がします。つまり教える射を変えるならその他の練習メニューも見直したらほうがいいと思います。

8:黒龍さん
僕の場合は少し無責任のようですが、後輩には「開くようにするといいよ」としか言いませんでした。もちろん理解できた者はいませんでしたが。
 上手くなるためというか、納得する射をするためには自分で考える必要があると思うのです。まずはどうすればよいのか自分で考えさせました。

 とは言っても難しいので、僕の場合を言いますとまずは“イメージ作り”その後は徹底的に巻き藁をしました。

 先輩として、後輩の“イメージ作り”の手助けとなるよう、開く射がいかなるものかを自分の型を見せる必要があるのでは? 

9:弓遊び2号さん
道具の話に戻して大変恐縮ですが・・・
ゆがけには、手の力が抜ける方向・バランスといったものがあります。構造上そう作ってあるもので、その方向・バランスをはずさないように引いてくると、帽子にかける指には、ほとんど力はいりません。力が要るのは、私は四つがけですが、親指の根の関節と、小指の根の関節のみです。指先に力が入っていないので、離れは張りながら「待つ」ことができます。タイミングをとって、指先を開いて離す必要がなくなります。逆に、その場所に弦を乗せないと、握る・掴む・つまむ・緩む・たぐる・平付け・・・などなど、さまざまな癖が出てくるようです(自分自身で実験済)。
初心者は当然、この「場所」に弦を乗せるという感覚がわかりません。しかし、この場所を教えて、手先の力を抜かせると、変な知識がない分、早く開く射に移行できると思います(当然、正しくかけを差して、正しく弓構えさせないと、この場所に弦はかかりませんが)。
弓も同じです。力を抜いての支え方があります。
弓を引いていると、いつかは気づく部分(1年目で気づく人もいれば、一生気づかない人もいます)ですが、早く教わって、身につけた方がいい部分だと思います。みんな、射型射型と言いますが、道具の合理的な使い方を知らないで、射が合理的に整うはずがないと思うのは、私だけでしょうか?

10:Y.K.さん
自分も弓遊び2号さんの、道具の合理的な使い方も考えるという方法に共感します。

自分は先のレスに、手の内と取りかけを100点満点に仕上げてはどうかと書きましたが、
それは弓矢に体の力をまっすぐ伝えるためであり、また弓の力をまっすぐ体で受け止めるためでもあります。
例えばベタ押しになっていれば弓に負けてしまう事があるから離れで弓自体の反発力が生かせない、取りかけで指をかける部分を間違えると矢筋の感触がわからなくなる、カケ帽子の角度を間違えると弦と弦枕の噛み合わせが悪くなり矢が飛ばなくなる、といった感じです。

11:きーとんさん
黒龍さん。イメージは大切だと思います。
それを”実感”として感じさせてもらえた らなと、新入生のセンスのよさに期待した いところです、が、だめだったら数こなすしかないですね。

9、10>カケの良し悪し=成長の度合いだと思います。数年前、手形を書いて、オーダーしたことがありますが、失敗でした。やたらと、親指と控えがまっすぐにつながり過ぎて、かつ親指が一指し指に向きすぎて、さらに帽子がとんがりすぎてる。弦がかかる山の部分は結構調節が利くとは思うのですが、親指の取り付けがこうではどうしよも・・・。新入生にはいいものを選んであげたいですね。
あととりかけの位置については、カケによって決まると思います。おおむね正しい位置はあると思いますが、微妙なところは、指導するヒトが実際につけて、正しい位置を導いてやる必要があると思います。でも、親指の付け根付近で、前に押す力を早く感じ取れるようにさせたいですね。

皆さん長文のレスありがとうございます。大変勉強になります。

12:弓遊び ◆.t4dJfuUさん
きーとんさん

>カケの良し悪し=成長の度合い

同感です。その通りだと思います。
手形オーダーのユガケを無理矢理自分の引き方に合わせるとユガケは悲鳴を上げます。
手形オーダーのユガケは今までの引き方を維持するための弓具ではなく、もう一歩射手を成長させるためのものです。それをカケ師は手形を見て判断しその願いを射手に託すわけです。
キートンさんが手にされた手形オーダーのユガケは、ユガケがすっぽ抜けるほど小紐を緩く巻き、紐ですっぽ抜けないように調節、又、取りカケに違和感を感じない程度に紐を締めるタイプのユガケだったのでしょう。
いくら手形オーダーのユガケといっても正常な使い方をしないと射の完成、射の進歩はあり得ません。


ユガケに関しては良い経験をなされたのではないですか?

13:きーとんさん
私自身のカケではなく新入生のものでした。数名オーダーしたのですが、みんな前述の特徴がありました。ということで、その次の年は既製品のもので中庸なタイプに落ち着いてます。
前述のタイプは初心者には難しいなと思いました。ひねりたくてもひねれない。親指は矢筋に向けるとありますが、ある程度は前面に向くことが必要です。このタイプのカケでは下弦を取ることを覚えるのに難ありといった感じでしょうか。また、はじめは馬手が強いので、矢が前を向くようにおろしてきがちなので、その使いづらさはより強調されます。
あと、開いてくる射にもちょっとなと思います。矢筋に引っ張ってくる、どちらかといったら直線的な引き方には向くと思います。

何事も失敗してよいものを得ていくと思います。そういう意味でいい教訓になりました。(ごめん後輩たち)


ホーム > 弓道座談会 > 2009/06まで 技術・体配編 > 指導のキモ〜押す?分ける?〜 (投稿13件)[1〜13]

(c)デビール田中 : 問い合わせ