感覚の指導 (投稿3件)[1〜3]


1:黒い心さん
僕は今高校2年生です。

1年生へのゴム弓の指導で「腕じゃなく背中で引くように」と指導しているんですが、イマイチ「背中で引く」という感覚が分からないらしく上手くいきません。
僕も背中で引く意識をしているうちにいつのまにか引けるようになったので指導し辛いです。

どなたか「背中で引く」感覚を上手く説明する方法を知ってる方はいらっしゃらないでしょうか?

2:元学生さん
たとえば、「みんなの弓道」の会の章にあるバックテンション理論などはどうでしょうか。感覚を説明する事について先人は個々の筋肉の動きから説明しています。

理屈でいえば、書籍の通りですが実際は個々の筋肉を意識して動かせるかどうかという問題に突き当たるのでないでしょうか。それを避けて科学的な筋肉の動きを省くとやはり、感覚的な説明になってしまうと思います。
いつの間にかできたという実体感を言葉でなく動作や見取り稽古で伝えるのが実は一番速かったりします。
「百聞は一見にしかず」言葉の限界を超えるのは見せるのが一番かな。

3:百夜 ◆WR1hQljoさん
背中で引く感覚というのはゴム弓の段階の子に教えるのは難しいかと思います。
徒手や見取り稽古で形を覚えることから入り、八節がだいたい出来るようになったら次はゴム弓で力の使い方などを覚えていきます。ゴム弓に慣れてきたら形が崩れないように注意しつつ素引きへ・・・という段階を踏んでいくのが基本かと思いますが、背中(肩甲骨やそれに付随する筋肉群)を意識して引けるようになるには、個人差はありますが、おそらく的前に入ってから数ヶ月を要すると思います。

ゴム弓の段階の子に「背中で引く」ということを要求すると混乱を招くかも知れないのでそのことはまだ触れず、三重十文字などの基本形の指導に重点を置き、個々の上達度に応じて肘や上腕三等筋を意識させるのがいいかと。「背中で引く」ということを正しく理解できず「肩甲骨を後ろへ引く(肩を抜く)」という風に勘違いしてしまうかも知れませんし。

元学生さんのおっしゃるように、副読本の中には「背中で引く」とは科学的にどういう現象なのかということを研究している書籍がありますので、理論の学習を取り入れるのもいいかもしれません。といっても、一年生では内容を理解するのに困難を伴うと思いますので、まずは指導にあたる先輩がそういった理論を勉強し、それを自分の経験と結び付けるなどして一年生にも分かりやすいように噛み砕いて説明するという風にします。
なぜこんなことをするかというと、「感覚」というのは個々人の射の実力や習熟度、体格差(骨格、関節の柔らかさ、筋肉量etc...)によって差が出ますので、指導をする際にあまりアテに出来ないことがあります。そこで感覚に頼らず、具体的にどの部位の筋肉が作用してどの骨がどう動くかということを言葉で説明したり、行射中に実際に触って指導したりすることが出来ます。


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