ひとの弓を運ぶとき (投稿6件)[1〜6]


1:こむぎさん
はじめまして。高校時代、ひとの弓を持つときは籐に触れてはいけないという教えがありました。籐は狙いをつける大切なものなので汚さないようにということです。

一方大学時代は「籐を持つように」と教えられました。湿気を嫌う弓を直接持たないように籐の巻いてあるところを持て、ということかなと考えています。


私個人としては高校時代の教えから、他人に自分の弓の籐を持たれるとあまりいい気持ちはしないのですが、皆さんはひとのゆみを運ぶときなどはどのようにされていますか?

2:Kさん
僕の高校では、『弓は握り以外持っては行けない』と言われていますね。
手に汗をかいていたら手ぬぐいなどを使って持ちます。この時は握りでなくても良いことになっています。

3:ふみさん
籐を持たないというのは初めて聞きました。
確かに籐で狙いをつけますが、印をつけてはいけないですし、握ることで形が変わるわけでもありませんし、そこまで差し支えないようにも思えますが・・・でも、地域によって基準とすることが違うため、そのようなことがあってもおかしくは無いですね。

自分は「他人の弓の握りは持たないように」と言われました。

4:デビ ◆5h7.ceJYさん
個人的に、正確に習った記憶が無い(忘れた)のでいくつか考えを巡らせてみましたが、籐よりも弓自体を持つ方が良いように思います。(今度師匠に聞いてみよう)

■背景1:通常定義される動作に「籐を持つ」動作が無い。以下は弓を持つパターン
[1]自分の弓を持つ場合
・把(にぎり)を持つ

[2]人の弓を持つ場合
・基本「人様の弓には触れてはいけない」
・介添として弓を運ぶ(射手が失した際、射礼の際の介添え)際は「右手は本弭、左手は把のすぐ下を持つ」

■背景2:籐の方が圧倒的に汚れやすい
弓自体には側木にはニスを塗り、竹自体はある程度磨き上げています。ワックスを塗る人もいますし、グラス弓などはコーティングしてあります。
籐はワックスなども塗らないし、凸凹の部分に汚れがたまりやすく、そして手入れしにくいです。(お恥ずかしい話ですが、梅雨時期に点々とカビを生やした事もあります)

籐は交換可能だけれど、弓自体は交換不可なので、ちょっと根拠は薄いですが、籐の交換自体も頻繁に行わない私などは、籐を持たれるよりは、弓自体をそ〜っと持っていただいたほうが安心ですね。
大きく湾曲している鳥打や、大腰、姫反を持たれるのは勘弁してほしいですが。

あ、あと数張りまとめて移動して弓が雪崩れ上に倒れることも度々見ています。お気をつけを。

5:光点師さん
小笠原流礼法伝書『大諸礼集』四巻「請取渡『万(よろず)請取り渡しの次第』」
(『東洋文庫』561 平凡社1993に所収))によると、

「弓出すべき事。はずし弓たるべし。右の方に身に引き添えてやすり籐を持ち、本はずを
五寸引きあげ、・・・・ゆみを進じ候と披露して、請取人出て候わば、そと立ち向かいて弓
を左へ取り直し、そりを下へなしてにぎりをすこしさげて、左の手をかけ、右にて本筈を抱
き候いて、両ひざ共につきて渡すべし。」

おそらく合理的に考えて、握りを持ったのでは上が重くなり、バランスが悪いので、通常
「持つ」場合には矢摺り籐を持つ。ただし、人に渡す時は、相手が矢摺り籐もしくは、握
りを持てるように、握りのやや下に持ち替えるのでしょう。

『大諸礼集』には、相手との身分の上下関係、物理的な距離によって、渡す際、握りの下
どれほどを持つべきか、ということも書かれています。よく考えれば、納得できる当たり
前のことです。

「○○先生がこうおっしゃったから」「講習会でこう習ったから」ではなく、興味のある
方は「礼」の本質を探究し、ご自身で原典にあたって、更なる研究をなさってみて下さい。

6:デビ ◆5h7.ceJYさん
>>5
個人的には矢摺り籐が弓の中央にあるとは限らないことも踏まえると、やっぱり、弓自体がいいんじゃないかとも思いますが、まずは、「大諸礼集」あたって見たいと思います。(早速予約しました)

ご紹介ありがとうございます。


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