会での詰合い・伸合いの指導法 (投稿57件)[1〜57]


1:きまぐれさん
会での詰合い・伸合いについてみなさまどのような指導を行なっていますか?またどのような指導を受けておられますか?

今度部活で1年生を主体に伸合い、詰合いについて指導を行なうと思い、様々な本などを読ませていただいており勉強中の身ですが、内容的に難しいことなので多くの方々がどのように指導をしているのか、またどのような指導を受けていられるのか生の声を聞かせていただき参考にさせていただきたいと思います。是非よろしくお願いします。

ちなみに私は高校時代は会では止まるのではなく引分けの極限まで引き続け(肘と背中を中心に)、力と会が拮抗して見た目上止まったところで力の限り支え離しなさいと指導を受けました。さらに会では縦線を意識し、そこから左右に大きく伸び縦横十文字を意識しなさいという感じです。(かいつまんでいるので言葉が少し足りないのですが…。)

2:るんさん
>きまぐれさん
いつも楽しく拝見しております。
私も勉強中、ただ弓が好きなだけの人です。
射術は聞かれない限りアドバイス(指導という認識はありません)はしない方だと思います。
どのような指導を受けていたかというと昔ながらの(?)空気を通しての教えだったと思います。

>詰合い・伸合い
言葉云々から考えるとちょっと難しいのかなと思いますが、きまぐれさんが習われた「縦横十文字」と、あとは「元気に放つ」が基本のような気がします。スパッと放つことができれば、たいしたものと思います。そこから、だんだん自分の矢束がわかり、詰・伸の意味合いもわかってくるのでしょう。その前提として、足踏みがいかに大切かを引いて見せてあげるとよいかと思います。ちなみに、できれば、弓の成り、ゆがけの構造が射にあたえる影響を勉強してもらい、その重要性を認識してもらえれば、詰・伸を体得する一助となると思います。また、特にゆがけはできる限り見てあげ、よくないところがあれば直してあげるとよいと思います。(弓の成りは生徒さんが直せると思いますが、ゆがけの修理等ばかりはそれなりの経験がないと難しいので、この場合はこうだよと見せながら直し、または修理してあげると、簡単なものは生徒さんができるようになります。生徒さんはよく見ているものです。)

生徒さんに対するこころづかい、きまぐれさんの生徒さんは幸せですね。
こまぐれさんのこころが伝わりますように。

3:射楽斎Uさん
>きまぐれさん るんさん
おひさしぶりです。

私も、縁あって高校生の指導をして30年を超えてしまいましたが、一番難しく、かつ最大の課題ですね。
長いので分割します。

4:射楽斎Uさん
その1

私は、会の熟成には、「澄まし系」と「伸び合い系」の2通りあってしかもその比率が8:2程度だと実感しています。
これは、生涯にわたって固定されるのではなく、永い年月の内にタイプが換わることもあるのですが、高校〜20代くらいまでは、先天的なタイプに支配される部分が大きいように思います。

したがって私は、まずは「澄まし系」の射を指導しています。
手の内とかけのつかい方ができる生徒から、15秒以上の持満を長期間義務付けています。
はじめは、将棋や囲碁のように脇に人を付けて「・・・5秒、・・・10秒、・・・15秒、・・・」と5秒刻みに読み上げさせます。
この読み上げは、途中の空白時間が本人に自覚を促し、きわめて有効です。
最初の3日ほどは死に物狂いですが、1週間を越すと普通にもてるようになり、2〜3週間をすぎる頃から結果だけを通知するように切り替えます。秒読み無しで12〜17秒を維持させるためです。
この頃から、離れる頃になって2度目のねらいをつけさせ、手の内の締りや馬手の余分な力の整理をし、離れる直前の手応えを味わい尽くさせます。
生徒は、3月〜半年の行射の中で、「澄まし」から調和の極致を迎え、最高にいい状態をさらに1〜2秒引きずって残心に至る離れを体得します。
すばらしい矢飛びと、確かな的中が出始めます。
ここまで行くと、あとはまったく手がかかりません。
そのぎりぎりの手応えの世界を味わわなけらば、つまらなくて離せませんから、放って置いても、どんどん深い世界を身につけて行きます。
多くは13秒前後か17秒前後のつぼを発見するようです。
これが、「澄まし」の世界から離れの極致を迎える指導法として現在私が取っている方法です。

5:射楽斎Uさん
その2

でも、この方法が合わないタイプが約2割います。
その場合は、15秒2〜3週間の後、2度目の的付けのあと意図的に、1で手の内で押しかけ、2で両肩で伸び合い、3で残心に切り抜くようにさせます。(1に起こりて3にて発す・・・雪荷派の応用)
2〜3ヶ月で習熟し、外見上5〜6秒で詰めあい伸び合いを完了し、さらに2〜3秒のやごろを引きずって(この間に押しかけ伸び合いやごろがある)切り抜くようになります。
仕上がりは8秒後半が多いです。
的中はでますが、リズムが狂うと早気になるので、常時目が離せません。
これは、該当の生徒に十分理由を話して、決して後輩に教えるなよ、と念を押して指導しています。
生徒が後輩にこれを教えると、ほぼ例外なく早気になるのです。

まだまだ工夫の連続ですが、現在の到達点をまとめてみました。

6:きまぐれさん
>るん様 
弓の成り、ゆがけの構造まで頭が回っていませんでした。より深い意味を考えるときに使う道具の性質、構造等の知識を深めることは重要なことと気づかされました。ありがとうございます。

>射楽斎U様
「澄まし系」と「伸び合い系」のお話し参考になりました。現状1年生に対しまして基礎体力を作ること、早気を防止するために10秒ほどの会の維持を義務付けておりますが、どうもただ持つだけになってしまい、ここ2、3年の経験から今の方法では2年生になったときに会が半減して4,5秒にしまう傾向の生徒が多いのでご相談させていただきました。考えてみますと私の指導法としてどちらかといえば「伸び合い系」(その域までいっていませんが)に近いものだった思います。よってあたりが出てくると一部の生徒はリズムが早くなる傾向がみられ早気にならないまでも会が減少する傾向が強かったのだと思います。お話参考になります。ありがとうございました。

7:印西さん
射楽斎U様初めましていつも勉強になります。高校から弓を初めて五年目になります。議題とはことなりますが、自分は将来全日本選手権出場が目標です。
自分は斜面打ち起こしで弓を引いています。
行射の早さ会の深さなどどういう風に稽古したらよいでしょうか?

8:るんさん
>6:きまぐれさん
「き」と「こ」を間違えてしまいました。どうも大変失礼しました。

>4,5:射楽斎Uさん
おひさしぶりでございます。
射楽斎Uさんのご指導ぶりが目に見えるようです。

> 「澄まし系」と「伸び合い系」
素晴らしいご指導方法ですね。以前、唐沢先生の著書で「八秒で二度の的付け」という項を読んだ事があります。唐沢先生には及びもつくものではありませんし、目的も異なりましたが、結果的にほぼ同じようなことをしていた時期があります(あとで読み驚きました)。「澄まし系」と「伸び合い系」、よくいいあてられている表現ですね。とても勉強になります。

9:斜面射手さん
>射楽斎Uさん

澄まし系は伸びあわないのでしょうか?

10:弓遊び2号さん
>射楽斎U様

息合いはどのように指導されているのでしょうか?教えていただければ幸いです。

11:弓遊びさん
>3・4・5の射楽斎‖さん

会における伸合いについては書いてあるようなのですが、会における詰合いについての記述が見当たりません。
古来日置流の教えには『詰合い無き射に伸び合い無し』『詰合い即ち伸合い』『伸合い即ち延合い』という教えがあります。
それと息合いです。
家内も大変不思議がっておりますが、盗息をさせずに15秒前後も形上の会を維持させておられるのでしょうか?
また、射手と弓力との関係、弓が弱すぎるのでは?
上記の三点における会の定義。
口伝、直伝で『会即離』としか教わっていない私には理解しかねる指導法なのです。

12:射楽斎Uさん
昨夜帰宅して、「きまぐれ」さんの重要なテーマがどんどんふくらんでいて、とても嬉しかったです。
ただ、昨夜は祝い事でいささか酩酊気味でしたので、そのままやすませていただきました。
今日も、出かけなければなりませんので、まずは、一つづつ返信します。

13:射楽斎Uさん
>印西 さんへ
全日本選手権、ぜひ出場して天皇杯をきちんとものにしてください。
印西さんは、全日本選手権、見たことはありますか?
私も20代から通い詰めて見つづけましたが、あの大会は間違いなく現代弓道の最高峰です。
そして、そこには近未来の弓道のあり方が模索されているのがよくわかります。
斜面の名手も、常連もおいでです。
いずれの射も、連綿と続いてきた弓道の歴史の上に立脚しています。
1.ぜひ、全日本選手権大会を見てください。
2.運行速度はかなり差がありますが、この選手!とめぼしをつけたなら、123…と数えながら運行の間合いを盗んでみてください。
印西さんに、「この間合いを身に付けてください」とお話するよりきっと自分にあうものを発見できると思います。
3.「会」の深さも20年前と比べると格段に深くなってきています。高得点を得ている選手の会は7、8秒から17、8秒に及びます。かつて、山形の岡崎先生が鹿児島の山下先生と射詰で勝負を決した射は24秒前後あり、星のど真ん中を射抜いた一箭は、的のみならず見るものすべての心を射抜き、満場のどよめきは、しばし拍手も忘れるほどでした。勝負の一射は、自己最高の射をさらに越えるような深みを実現できるような真摯な取り組みが必要でしょうね。
4.現代射法は、すでに三十三間堂の速射時代のものではなく、「分」の厚さ(強さ)を誇った強弓時代のものでもありません。精密な的中を持って賞賛された時代のものでもないのです。それらの時代に大成された過去の常識をすべて検証してください。間違っているのではありませんが、目的に添わない常識がたくさん混入しているのです。あなたは、過去を学びつつも誰もまだ踏み出していない近未来の弓道を目指して歩み始めたのですから。
5.でもすべてを自分で行うには、時間がかかりすぎます。馬齢を重ね朽ち果てるのみです。過去に詳しいだけでなく現代に詳しいよき師に出会えたなら、きっと師弟問答のように一緒に議論しながら前進できるでしょう。

具体的なアドバイスにはなっておりませんが、取り組む姿勢に関して、何がしかの参考になれば幸いです。

続きは、帰宅してから一つづつ返信します。

14:射楽斎Uさん
>斜面射手 さん
遅くなってすみません。
「澄まし系は伸びあわないのでしょうか?」について。

一言でいえば、意図的、あるいは自発的には伸び合いませんが持満の極致はきちんと迎えていますし、妙手はその状態を確実に1〜2秒維持(引きずる状態)して離れてゆきます。この1〜2秒が、印西系の伸びあいと同様な世界になります。当然離れを迎える瞬間は、まさに「やごろ」と対応します。
みずから仕掛けてゆく伸び合いから迎えた極致と、自然に熟すのを待って迎える極致の違いです。だから、どちらがより自分に会うのかという相性があるのです。
大和流では、「伸びを用いる離れ」と「伸びを用いない離れ」を指導していると近代弓道書選集(村河清)にあります。これを発見した時は、背筋が震えるほど興奮しました。すでに先人達も十分わかっていたのだと思います。
しかし、単に会の長いタイプの多くはこの「極致」を迎えることもありません。ただ止まっ
ている状態からはなしてしまいます。これは持満(満を持す)ではないのです。このタイ
プは、意図的な伸び合いと「やごろ」を研究しなければなりません。
しかし、離れの直前の手応えは、きわめて同質のものと思っています。
みんなが、同じ経路を通って離れに至っているのではない、ということです。
斜面射手さんの、参考になれば幸いです。

15:射楽斎Uさん
>弓遊び2号  さん
ご夫婦でいつも楽しく弓を引いておられるご様子、大変うらやましく存じます。

「息合いの指導」についてのご質問ですが、私は「こうしろという指導」は、高校生にはしておりません。
高校生に息合いを指導すると、自由な発想が得られず従来の射を越える事が、かなり困難になります。一流の生徒は吸いながら引き分け、会に入り際に少し吐いて呼吸を下腹部におろし、そのままか小さく出入りしつつ10数秒持満しています。十分満ちてきたころ自然に止息し、「極致」をぎりぎりまで引きずって切り抜いています。
わたしは、子供達が自然に発見してきたこの呼吸法が一番いいと思っています。指導もせずにいつのまにか同じ呼吸法になってゆくからです。
なお、このぎりぎりの状態を「クンクンが来る」と表現した生徒がいます。
彼は、「会に入ってじ〜っと狙いつづけていると全身が、クンクンとゆれそうになるので、それをださないように2〜3秒こらえて切り抜いている」とのことでした。はた目からは、深い澄ましとぎりぎりまで満を持しての離れで、見る者を圧倒していました。この生徒のつぼが17秒前後だったのです。その後、同様の生徒が次々と出てきました。その、多くが13秒か17秒前後のつぼだったのです。この辺に何かの共通性があるように思います。

この件は、ご主人の質問に引き継ぎいで検討します。

16:射楽斎Uさん
>弓遊び さん

ご夫婦での探求うらやましいかぎりです。
3つの点について…長くなるので分割します。

17:射楽斎Uさん
>弓遊び さん

1)詰め合いについて
骨法の完成した会が実現するまでを、詰め合いと定義しております。
「手の内とかけの使い方ができる生徒から…」と以前書きましたが、これが「持満」の稽古に入る最低条件です。弓との接点であるこの2点に関して、私は100点満点を要求しています。この2点が十分であると弓力に対する身体的対応がとりやすくなり、両肘・両肩をかなり自由に動かせるようになります。
すなわち、弓の圧力を十分合理的に受けとめ、かつ押し返せる縦横十文字の完成までが速くなります。多くの生徒にとっては、半年〜10ヶ月程度でしょうか。
このような状態で会に入り、じ〜っと熟すのを待っていると骨格と力線が一致してくるのが分かります。これが、「澄まし系」でいう詰め合いです。
これも、印西系のように、自ら作りに行くことはありません。
だから、人によって相性があるのです。

18:射楽斎Uさん
>弓遊び さん

2)盗息の問題
先ほど、弓遊び2号様へのレスに呼吸法を書きました。
私は、そうは思わないのですが、人によっては「盗息」というかもしれません。
しかし、阿波研造先生以前の流派弓道に「死んでも離すな」という思想は無かったと思います。
そして、それほどまでにして「一箭に全霊を尽くす」弓道を多くの人々が追求しつづけた理由には、やはり「的を射抜くにとどまらず、自分の心も、見る人の心をも射抜く弓道」を一度でも見た人たちが、自分も実現したいという思いを抱くようになって修練したからだと思います。
そういう意味で、現代弓道は進化しつづけているのです。
このように考えると、過去は十分検討しつつも、未知の未来をどう切り開くかという重大な課題が見えてきます。
そんなとき、かつての回転大回転競技において、徹底的に子供のすべりを分析したヨーロッパ各国の手法は十分参考になります。
高校生に従来の呼吸法を指導するより、若者の本能が発見する世界を謙虚に分析検討することのほうが多くの収穫が得られると、私は思っています。
安沢平次郎範士は一力一息と云いつつも会において三度白く長い息を漏らされたと聞いていますし、現在の範士の先生の中にも、肺の入口を閉めてはいかん、腹と肺と大気と宇宙をつなぐのだといって、会で三たび息を吐ききって見事な離れを見せてくれる先生もいます。
まだ、確信は持てませんが、近い将来私たちの次の世代あたりが確立してくれるのではないでしょうか。
密かに期待しています。

19:射楽斎Uさん
>弓遊び さん

1)射手と弓力の関係
私が本気で弓を引くようになったころ、17歳17kg、18歳18kg…20歳20kg、あとは2年ごとに1kg目安で30歳までには25kgが引けるように、といわれておりました。
私は、34歳26kgが最高でしたが、現在同じことを高校生に言っています。
私が指導している高校生は14〜15kgの素引きから始まり、16kgの巻き藁が引けるようになって的前です。例外も少し居りますが15kg未満で的に立つ生徒は居りません。
これも、手の内とかけの使い方がきちんとできれば、さほどむずかしくはありません。
大半の2年生は17kgを引いておりますし、18kgも少しいます。

こんな程度で、もし参考になれば幸いです。

なお、内容の性質上、連続投稿になってしまいましたことをお詫び申し上げます。

20:弓遊びあんど弓遊び2号さん
射楽斎‖さんの蓄積してこられた経験をご披露して頂き有難う御座居ました。

『会』の定義は私とは異なります。
その為、横の力線の働きが必要になってくる射法八節でいうところの弓構え以降からの考え方の違いがわかりました。
しかし、家内の考える『会』と少なからず一致しているように思います。
どちらが正しい、間違いである。という事ではなく、どちらも存在するのでしょう。
因みに、私の考える会は一瞬です。
その一瞬は『やごろ』『こう』『離れ』を含みます。
その一瞬に辿り着くまで詰合いし続けるよう日々精進しているつもりではありますが、現実には、詰合いの途中で妥協が生まれ、打楔が限界のようです。

21:斜面射手さん
>射楽斎U さん

お返事ありがとうございます。
私は印西派を学んでいたものですが、
射楽斎Uさんは時折、印西派を引き合いに
出されているようですが、もしかして
印西派を学ばれていたことがあるのでしょうか?
私は印西派以外の弓を学んだことがないので、
伸びあわない会、ここでいう「澄まし系」、
「自然に熟す会」というものがいまいち理解できません。
印西派では免許皆伝の先生が会に入り3秒くらいで
離れを出すことが可能ですが、
会を長くする指導法が及ぼす影響は、早気防止以外に
どういったメリットがありますか?逆に遅気になってしまった
事例はありますか?

22:射楽斎Uさん
>斜面射手 さん

23:射楽斎Uさん
>斜面射手 さん
もしかして印西派を学ばれていたことがあるのでしょうか?

印西派に関しては、高校2年当時から学んできました。
でも、特定の師匠は居りません。教七の先生にずいぶんお世話にはなりましたが・・・。
一水軒印西は、弓道史上一番興味のある人物です。
印西派は、日置本流の中でも異端(ごめんなさい!)で、他のすべてが持満系(澄ましかどうかは特定しませんが)なのに、「詰め合い・伸び合い・やごろ」という新機軸を打ち出したのです。しかも、印西21歳当時、自分の信念はほぼ確立していたのではないかと推定できます。もし、私に小説家の才があるなら印西の生涯を大河ドラマに・・・、ちょっとウヌボレ・・・。
そして、浦上栄範士です。
一昨年、浦上先生の射礼のフィルムをビデオに起こしたものをいただき、詳しく分析する機会に恵まれました。
確かに、詰め合い伸び合いからやごろを迎えていますが、その極致はまさに澄ましの様相がありました。
結論として、自ら仕掛けるか、熟すのを待つかの違いだけでその極致はまったく同じなのではないか、と思っています。
今、市販されている弓道関係の書物には印西系の弓道書がたくさんあります。
なのに、竹林派や、吉田重賢・重政親子から伝わる日置本流の出雲派、真伝は雪荷に伝わったといわれる雪荷・道雪系の入門書・普及書は書店で見たことがありません。
印西系を除くと、石岡範士の本多系と、沼津の白石先生の小笠原系以外に高校生が目にする市販書は無いのです。
なぜ、印西は持満系の射から飛び出したのか・・・、どうして詰め合い伸び合いやごろを発見したのか・・・、なぜそれを自分の信念とできたのか・・・、興味は尽きないのです。

24:射楽斎Uさん
>斜面射手 さん  つづきです。
会を長くする指導法が及ぼす影響は、早気防止以外にどういったメリットがありますか?

みずから仕掛けることなく、全力で頑張ったあげく、最高の手応えを自覚できるというメリットがあります。
居合は鞘の内で勝負がつくといいます。刀が鞘走らぬ内に勝負がつくという意味です。弓道も発射以前に勝負がつくように思います。
その勝負は、持満の極致、印西派でいう「やごろ」です。
この一番大切なものを「体認」できるというのが最大のメリットです。

>逆に遅気になってしまった事例はありますか?

今のところありません。なかなか熟さず、遅気(もたれ)気味の生徒は居りましたが、そんな生徒のほうが、むしろ手の内と馬手の力の整理を指導してゆく中で、例外なく持満の極致を発見して一流の選手になってゆきました。
やはり、印西が求めつづけた「やごろ」がどの流派の弓道でも最大の課題なのだということなのでしょうね。

25:射楽斎Uさん
>22
何か間違えて発信してしまったようです。
失礼しました。

26:noriさん
射楽斉Uさん> 話のこしをおってしまうようですみませんが、印西派について詳しく教えていただけませんか? 私は、恥ずかしながら、自分が何流か解りません!そのような、状況の中で十何年ぐらい弓道してます。 印西流のほかにも多くの流派が存在すると思います。ですので、そのこともご教授ください。また、よかったら、文献などもあれば、よろしくお願いします。
 また、多くの人は、自分の流派を知っているのでしょうか?
 

27:noriさん
 内容がタイトルが違うので、別に場所を移動します。そこで、ご教授ください。すみません。

28:斜面射手さん
>射楽斎Uさん

大変丁寧なお返事恐れ入ります。

過去に、両方の会を試してみたことがあります。
当時の考えとして、印西派の先生方のような
切るような(語弊あるかも)離れ、もう一つは
正面系の先生方のような長い持満の末に自然と開くような
離れです。おそらくは後者が澄まし系なのかもしれません。
当時から、角見と体の割り込みを強調されて指導されたので
現在では前者の会、離れとなっています。

現代の射法と昔の射法を比べると、恐らくは
会がずいぶんと長くなっていると思います。
速射の必要が無くなった現代で可能となった
長い会の射の先に何があるのか、興味があります。
最近、これといった課題が無かったので今後の稽古で
研究してみたいと思います。
ありがとうございました。

29:印西さん
大変貴重なお話ありがとうございます。全日本選手権は生では一度も見たことはありません。
大阪府で常連で出場をされているN中先生の親戚が佐賀に住んでおりその人にお願いしビデオを見ました。
実際に見たわけではないのです。

見たいのは山々なのですが。。

なかなか行く暇がありませんし、難しいです。(仕事上)

30:射楽斎Uさん
>きまぐれ さん のスレッドをお借りして長々と申し訳ありません。
高校生の気質が大きく変わってきて、なかなか指導が難しくなってきたように思います。
高校生なんだからこの程度、と割り切る指導者が多い中、きまぐれさんの取組み、とっても嬉しいです。
「弓道のすすめ」から、若者の多くの情報をいただいております。デビさんにもここで改めて感謝申し上げます。

>印西 さん
印西さんは佐賀でしたか。確かにちょっと遠いですし、仕事を考えると厳しいですね。
感動は生にかないませんが、研究するなら、VTRで十分です。
でも、九州のブロック大会なら毎年でなくとも何とか都合がつきませんか。
今年入賞した大分のA先生や、熊本の常連お二人や宮崎のK先生福岡のE先生ほか全日本トップレベルの射を十分研究できると思いますよ。

31:きまぐれさん
>射楽斎U様
とんでもございません。本当に勉強になりました。ありがとうございます。


>書き込みをいただいた皆様方
前に書きましたが早気に対する指導を考えていったとき(我が部は以前早気の巣窟?でしたので・・・。)成長過程において特に1年目で会を義務付けることで早気の発生そのものは大幅に減少しましたが、会に対する充実というものがなく、本当の意味で改善はしきれていない現状でしたが、皆様方の書き込みを拝見させていただき多くのことに気づかされ、現状の方法から改善する方向性が見えてきました。本当にありがとうございました。

32:印西さん
私は特別養護老人ホームで介護士をしており、九州ブロックもなかなか難しいと思います。
高校時代遠征にて、大分のA先生の射は見直に見たことがあります。
全日本トップクラスの射直に見てみたいです。
なかなか仕事上そういうわけにはいかないですよね?
事実斜面の先生が高校にしかいませんしかも母校ではなく他校に行かれたため、自分が所属している道場はみなさん、正面打ち起こしで自分を指導できないと言われてます。

33:射楽斎Uさん
>印西 さん

おそらく、土日も思うようには休めないお仕事、ご苦労様です。
状況は厳しいですが、他校に移ったとはいえ斜面の恩師がおいでだというのは幸いです。
月に一度、いや年に数回でもご指導をいただいたらいかがですか。
すでに、経験5年ともなれば、かなりのところまで自分で処理できます。確かにまったくわからなくなるときもあると思いますが、そんなときは、恩師を訪ねて行けばいいのです。
私も、特定の師匠はおりませんが教えを請いたいと思ったときや、上手といわれる射をぜひ見たいと思ったときは、200kmや300kmならほとんど躊躇せずに飛び出していました。
「おもい」は行動を生み、「行動」のみが未来を切り開くものと思っています。
学ぶ手立てが発見できることを、お祈り申し上げます。

34:印西さん
返信ありがとうございます。
僕もできることなら飛び回りたいのですが、夜勤とかありますしなかなか難しいです。
最近は、彼女と後輩を連れて熊本へ行き僕の弓友と一緒に引きました。
合間を見て行けるときは一緒に弓を引きたく思います。
しかし射楽斎U様が羨ましくも思います。
今まで数多く有名な方の射を見られたのでしょうね!

良ければいろいろな話を聞かせていただきたく思います。

きまぐれ様へ。
議題とは違う事を聞き大変すいませんでしたありがとうございます。

35:森さん
射楽斎Uさんへ
射楽斎Uさんの書きこみを見てさっそく15秒以上もつ練習を始めて2日になります。これを2,3週間続けたら次は結果だけを知らせる方式にするとおっしゃっていましたが、射手はどのような心境で熟するのを待てばよいのでしょうか?会で秒数を数えるのではなく、ただひたすら熟するのを待って離れるのでしょうか?教えて下さい。あと、弦にしがみついたりするのを防ぐという目的での軽い伸びは許されるのでしょうか?

36:射楽斎Uさん
>森 さんへ
長くなりそうなので、分割します。

37:射楽斎Uさん
その1

>射手はどのような心境で熟するのを待てばよいのでしょうか

以前>13の4で、永い歴史の上に立脚しているものの、現代弓道が過去いずれの時代の弓道とも異なり現在進化し続けていること。
>15で、呼吸について、若者の本能的な発見から分析していることなどを書きました。
私は、具体的には何も教えません。基本的には、「自分のからだがどんな手応えを感ずるか、時間を追ってその変化をじぃ〜っと味わい尽くせ」といっています。
多くの生徒が語る手応えと、外から見ている私の感覚は、何年間かかけているうちにかなり良く一致するようになり、最近はほぼ完全にわかります。
でも、生徒たちに語らせたほうが多くの収穫があります。
彼らは、とつとつと言葉にならない言葉を紡ぎながら自分の世界を話してくれます。
生徒が、離れる瞬間を「クンクンが来る」と表現したときは、目が点になりそうでした。
多くは、会に入り際のバランスがよく、運行の流れがなめらかだと、会に入って6〜7秒経ったころ手の内と馬手が適度にしっかり働いて両肩の縦横十文字がきっちり組みあがり、十分な手応えの中に安定期を実感するようになります。この手応えを楽しんでいると・・・外見上の澄ましです・・・、万全の手応えなのに苦しくなってきて、体がかってに弓力を押し返そうとします・・・澄ましの極・・・。ここで再度ねらいを確認する中で・・・極致を引きずる、印西派の「やごろ」・・・離れが生まれます。
この流れを、私は「会のドラマ」といっています。
この流れを、来る日も来る日も味わっているうちに、絶対の確信が生まれてくるようです。

38:射楽斎Uさん
その3

>会で秒数を数えるのではなく、ただひたすら熟するのを待って離れるのでしょうか?

秒数は、絶対数えません。自分が追い込まれてしまうからです。あくまで、弓圧を受けているからだの手応えの変化を「つぶやく」ように味わっています。

>弦にしがみついたりするのを防ぐという目的での軽い伸びは許されるのでしょうか?

私は何もするなといっています。自ら仕掛ければ、離れてしまいます。手応えを味わっていると「しがみついている」のもわかります。そこから、工夫が始まります。それを>4で、「手の内の締りや馬手の余分な力の整理をし、離れる直前の手応えを味わい尽くさせます」と書いたのです。

注意したいのは、>5に書いたように、合わないタイプが少しいることです。

39:印西さん
VTRを見ながら研究したりします。
僕は、斜面(師匠さんは印西派といってましたが僕はただの斜面打ち起こしです)ですが一人しか居ませんが、頑張りたいと思います。
とても勉強になりました。ありがとうございました

40:森さん
射楽斎Uさん、お返事ありがとうございます。もうひとつ質問があるのですが、私は今まで会が6,7秒だったため、会の深さ(まだまだ私は「長さ」の段階でしょうか)に手の内がついていけず、後半にだんだん弓手の親指が下を向いてくるのがわかってしまいます。手の内が完全ならば、会の深さには関係無く、角見はきちんとはたらくものなのでしょうか?

41:爽健さん
>射楽斎U様
私も縁あって高校で指導をする毎日を送っています。(まだ5年ですが…)
私は『会』は6秒前後で良いと教えられ、私も生徒にそう教えています。
実際、私は6秒の会で、学生時代に良い成績を収めてきました。
生徒等も5〜8秒の会で(やごろを含め)、ここ数年多くの全国大会で活躍し始めています。(まだ日本一にはなれていません)
もっとも、『強き心』の無き射は、何秒の会でも意味がないですが…
指導者となり、ひと区切りの5年が経ち・・・自分の指導について考えることが多くなりました。
そんなとき、射楽斎U様の書き込みを読み、大変勉強になりました。今後の指導の参考してまいりたいと思います。
ただ一つ、射楽斎U様の書き込みを読み、疑問を感じました。
それは・・・私は今まで、実際にインターハイを8大会を見、選抜も数度見ました。(選手・大学スカウト・指導者として)
その観戦中、チーム5人全員が15秒の会のある高校を見たことがないのです。
見逃した!?それはありえません。全員がそれだけの会ある高校は、必ず話題になるはずですから…
15秒前後の会どころか、強いとされる九州勢は会6秒の子でも長いほうです。(全ての九州ではないです。)
インターハイなど全国で勝つためには、10秒を超える会は必要なのでしょうか?
座射の五人立ち、4分そこそこで終える高校が活躍する近年のインタ−ハイで通用するでしょうか?(会だけでなく、引く間合いも早いのですが…)
長々と生意気言って申し訳ありません。
ただただ、現在72名の教え子達の願い(インハイ優勝)を叶えてやりたく…
ご教授願えたら幸いです。

42:射楽斎Uさん
>きまぐれ さん このスペースもう少しお借りします。

>印西 さんへ
印西系の弓道書は何冊か市販されておりますから、おもいきって買い漁って、読み込んでください。
弓道教本の、2・3巻にも浦上先生の解説が詳しく載っています。
師匠以上の事をしなくては、師匠を越してゆくことは出来無いのが道理です。
あらゆる工夫をしてください。

43:射楽斎Uさん
>森 さんへ
会が6〜7秒で安定しており、勝負がかかった時自然に8〜9秒に延びる会ならそれ以上にのばす必要はありません。
もし逆なら、もっと深める工夫が必要です。
十分深い世界が実現していると思います。
手の内親指は、少し入りが浅いのでしょうね。
親指付け根付近だけを1〜2mm深く入れてください。(誰かに引っ張ってもらってもいいです)
さらに親指は的の右方向に向け親指の内側横腹を弓から浮かすような心地で使います。
角見付近をまったく痛めず、いつまでもしっかり押しつづけられる角見になります。
微妙なところです、工夫してみてください。

44:射楽斎Uさん
>爽健  さんへ
分割します。

その1
指導5年にして・・・、すばらしいです。
6秒で安定しているなら、高校生として十分じゃないでしょうか。
でもわたしは、時間の経緯とともに目指す方向が変わってきたのです。
現在の弓道の進んで行く方向が見えてきたというか・・・、どうしても阿波研造・神永政吉・安沢平次郎・・・そして前述した岡崎廣志・・・他大正・昭和・平成にかけての歴史的な流れをきちんと踏まえた弓道を追いかけたくなってきたのです。はじめは、無意識でしたが15年ほど以前より自覚して取り組んできました。

45:射楽斎Uさん
その2
>インターハイなど全国で勝つためには、10秒を超える会は必要なのでしょうか?
必要か否か、考えたことがありませんでした。
ただ、今年のインターハイに個人で入賞した生徒は通常13〜4秒、勝負がかかると17秒前後でしたし、この生徒は国体でも近的1射目を外しましたが、そのあと遠的をふくめて28射27中すべて10数秒でした。
5人全員が10数秒のチームは、わたしの「夢」です。
たいてい1人くらいは3〜4秒で中ててしまうのがいます。
どの世界もそうですが、限られた時間の中で全員を導くことは出来ません。
だから、手の内とかけのつかい方ができる生徒から、長時間の会に取り組ませることになるのです。

>座射の五人立ち、4分そこそこで終える高校が活躍する近年のインタ−ハイで通用するでしょうか?(会だけでなく、引く間合いも早いのですが…)
人それぞれですが、私は決してそのような指導はしません。
生徒達の、その先にあるものを考えたら、わたしには出来ません。
爽健 さんの前半部分を読めば決してそのような方向には進まれないと安心しております。
何とか、「本物」=「見るものの心をも射ぬく弓道」を生徒達に指導してゆきたいと思っております。

46:印西さん
教本四巻、一巻、浦上博子先生の型の完成に向かって。は持っています。
ですがほとんどの事が弓手の事が全般に書いてあるように感じました。(誤解を招いたらすいません。)
自分が読み損ねているのかもしれませんが。
射楽斎U様の斜面での射法八節の考えをご教授ねがえないでしょうか?

47:きまぐれさん
>射楽斎U様
少しといわずガンガン使ってください。皆様のお話の中に多くのヒントがあり非常に参考になります。このような場を提供していただいていて管理人様にはお礼の申しようもありません。
全員10秒以上会を持ち早気になる生徒が1人もでないのは弓道を教える人間の夢ですかね。少しでもその領域まで近づきたい、そう思います。

少しお聞きしたいのですが仮に練習中に会を10秒持っている生徒がいるとして本番で何秒ほど増減するとお感じですか?私の浅い指導経験上の話で申し訳ありませんが、3分の2ほどの生徒は緊張すると減少する傾向があると思いまして、選手として経験を積み成長する過程でこの誤差は減少するのですが、やはり減る傾向がある以上、本番で仮に10秒ほしいなら(これにはただ秒数を持つというわけではないですが・・・)練習ではより深い会を目標にして練習しなくてはならないかなと思いまして・・・。

48:森さん
手の内の話になってしまい別スレッドをたてるべきですが、今回限りお許し下さいm(__)m
 射楽斎U様
私は弓道読本や鴨川範士の手の内を参考にし、弓構えで中指の爪に親指をかぶせて整えているのですが、大三に移行する際、弓体が虎口に食い込み、親指が中指の上に上がるのでこのときに親指の横腹がべったり弓に接してしまいます。親指横腹を弓から浮かすと気持ちとは、本当に浮かすのでしょうか?あくまで「気持ち」であり意識をすればいい程度でしょうか?少し弓が不安定になりそうで怖いのですが・・・f(^_^;)

49:爽健さん
>射楽斎U様
貴重なご意見お聞かせ頂き有難う御座いました。
射楽斎U様の仰るように、私は生徒に『勝てば、中れば良い』そういった弓道…短い会・早い間合いや行射・威嚇する様な矢声、といったゲームの様な弓を教えるつもりはありません。

前回、九州の弓を批判してしまいましたが…
九州の生徒の『礼儀』『あいさつ』『気配り』などは尊敬にあたいし、そこが九州弓道の強さの源だと感じています。
我が校も見習わないとです。
そういった弓以外での真摯な姿勢が出来うえであれば、ゲーム弓でもよいのかなぁと…

ともあれ、まだ5年の指導暦なので、もっともっと色々な意見を聞き、自分で自身の持てる指導方法を見つけていきたいです。
いつの日か、射楽斎U様に『私はこういった指導をしています!』と胸を張って語れるようになります。
国体にはウチの子も2名出場していました。もしかすると対戦していたかもしれません!
また、どこかで胸をお借りできるように頑張ります!!色々と有難うございました。

>きまぐれ様
勝手に場をお借りしてしまい…申し訳ありません。
最初のころ、私の生徒にも試合で早くなる子がいました…
最近は、まったくいません。理由は…分かりません(笑)
もしかすると、ここ2〜3年、早気の生徒は道場に入れず、治るまで巻き藁のみの稽古をさせていたせいか…試合の方が会が長い生徒が多いです。
参考までに!

50:射楽斎Uさん
>印西 さんへ 返信遅れてすみません。

確かに手の内と弓手の記載が多いのは印西系の特徴でしょう。弦がかけ口から飛び出してから矢が弦から離れるまですべてのコントロールを担当しているのが手の内であり弓手です。
記載が、細部にわたるのはむしろ当然でしょうね。
斜面での射法八節の考えを・・・、との事ですが字数を考えればここでは極めてむずかしいですし、私自身現在印西派の弓を引いているわけではないので適任とは思えませんので、お許しください。
どなたか、印西さんに適切なアドバイスをお願いいたします。
私も勉強させてください。

51:射楽斎Uさん
>きまぐれ さんへ
>会を10秒持っている生徒がいるとして本番で何秒ほど増減するとお感じですか?

答えは、きちんと「澄まし」の極致を分かった生徒は、勝負がかかると、常よりも会が2〜3秒のびます。
前述した岡崎先生も当時は、通常14秒前後でしたが、射詰めになると17〜8秒に伸び、山下先生との最後の勝負は24秒前後まで伸びていったのです。気合と集中が自然に深さをましたのでしょうね。だから、通常5〜6秒でも、ここ一番の場面で会が伸びるなら、一流選手だと思っています
緊張すると減少する傾向がある・・・のは事実ですが、ここ一番で会が減少するというのは、澄ましや伸び合いの極致が分からないか、心理的に「気が騒ぐ」ために人事を尽くせないからでしょうね。
だから10秒がポイントではなく、「澄ましの極致」が分かることがポイントなのです。
きちんとできる生徒は少ないけれど、何とか一人でも多くの生徒に体験させてやりたいと思っております。

52:射楽斎Uさん
>森 さんへ

少し長くなりますが、大切なところですからなるべく詳しく書いてみます。
あくまで、「正面内起こし・・・口割系」で真横に圧力をかける「直線圧力系」を想定しております。
この場合、手の内の締めのポイントは本多系の手の内と同じで、中指です。私は、中指と薬指を同等に使いように指導しています。この場合、印西系と違って小指は積極的には締めません。
亡くなった前弓道連盟副会長の菊地慶孝先生は拇指を3時の方角(的の右方向)に伸ばせと指導されておりました。当時意味がわからず苦心惨憺いたしましたが、離れに於いて弓と拇指の間に人差し指が締めこまれ、弓返りの回転軸が倒れることなく保持されるため、鋭く弓返りして弓は手のひらを転がり指の付け根に進んでぴたりと止まります。
この手の内は、鴨川先生の手の内でもあり、教本4巻の福原先生の手の内でもあります。教本4巻には福原先生の手の内の解説のところに、弓返りした時、脇正面から見て天紋筋がかすかに見える写真があります。これは、平成16年2月号の正法寺清先生(H15全日本優勝者)の残身の写真も参考にしてください。
なお、「直線圧力系」という言葉を使いましたが、「口割系」では腕を振り回すことなく直線的に圧力をかけるために残身で両拳があまり落ちず、肩よりやや高目、両拳の上辺がほぼあごの線にそろった残身になります。これは、平成15年3月号に石井勝之先生(H14全日本優勝者)の射を範士十段志々目先生が詳しく解説しております。

>親指横腹を弓から浮かす気持ちとは、本当に浮かすのでしょうか?
答えは、ほんとうに浮かすのですが結局弓から離れるほど浮かすことは出来ず、触ってはいるのです。でも負担はごく少なく、初心者に多いごつごつの「たこ」や「割れ」は生じません。
とても、限られた字数で説明し切れ無いのが残念です。想像力を十二分に発揮してください。

53:射楽斎Uさん
>爽健 さんへ 

>ゲームの様な弓を教えるつもりはありません。
同感です。同じ考えの仲間がたくさんいて、とても嬉しいです。

>『礼儀』『あいさつ』『気配り』などは尊敬にあたいし、そこが九州弓道の強さの源だと感じています。
ほんとうに九州はすばらしいと思います。
ただ全国に目を転ずると、社会人としてどこでも通用する「大人のあいさつ」のできる学校が少ないように感じます。
私の指導している学校の生徒もそうなのですが、グランドでのあいさつをホテルのフロントに持ち込んでいたり、部内特有の発声・音量でのあいさつを、部外においてしている姿を少なからず見ます。
一人で、他の道場に行ったときにも通用するあいさつを何人の生徒ができるのだろうかと、不安になります。
TPOをわきまえた、大人のあいさつ。お互いの心と心をつなぐ「あいさつ」を高校生に指導しなければならないと思っておりますが、ほんとうにむずかしいですね。
これも、高校生なんだから、弓返りしなくてもいい、高校生なんだからこんなあいさつでいい・・・というような風潮がどこかに感じられて、まずいなぁ〜と思っております。

>…試合の方が会が長い生徒が多いです。
ほんとうにすばらしい。
あらゆる面で、相当な弓道をご指導なさっておられるのだなと、うらやましくなります。
どこかで、多くの情報交換ができるといいですね。

54:印西さん
大変ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びします。
とても勉強になりました。
ありがとうございました

55:森さん
射楽斎Uさん
いつもほんとうに射楽斎Uさんの書きこみは勉強になります。早速今日午前中教えていただいた手の内を試したのですが、想像に反し最後まで押しきることができました。私も弓返りと同時に人差し指を握りこむのですが、気のせいかもしれませんが今までよりも弓返りが速くなった気がしました。澄まし系の練習も、せっかちなのでもう横に人をつけずに頑張っていますf(^^;)数えていないのでわかりませんが、十数秒あるかと思われます。射楽斎Uさんのこの手の内、澄ましの指導法をみなさんに本当にすすめたくなりました。ありがとうございました。きまぐれさん、スレッドのスペースを数日にわたり使わせていただきありがとうございましたm(__)m

56:きまぐれさん
>爽健様
お話し参考になりました。早気の生徒は巻藁で治るまで徹底した指導を行なう、早気に対しては徹底した指導、練習を行なわなければ根絶できないと思います。そういった指導姿勢、真摯な考え方が生徒さんに良く伝わった証拠だと思います。
私はその点まだまだですが、会の重要性、意味、そしてそれを行なうための指導方法を生徒たちと共にもっと突き詰めていきたいと思います。あと指導している生徒が72名もいらっしゃるということで大変ですね。うちも53名の生徒が所属しており全国で勝つという夢に向かって活動しております。是非全国の舞台でお会いさせていただきたいと思います。

>射楽斎U様
お返事ありがとうございます。「澄まし系」の会を習得すれば会は減ることなく保てる、それどころか本番において練習以上の力を発揮しうるということですね。自分と向き合うことに大きな意味を見出す、その中で己に勝つことで他者の心に響く1射となりうるのだと思います。勉強になりました。

このスレッドを立てたのは今現在行なっている会の詰合い・伸合いの指導法を改善するためだった訳ですが、皆様の書き込みを読ませて頂き、多くの改善点を把握することができ自分が当初想定していたものよりもはるかに良いものが出来そうです(実際に今半分ほど出来上がったのですが、これはかなりいけると思っています。)。皆様本当にありがとうございます。

57:射楽斎Uさん
>きまぐれ さんへ
>5.で、まだまだ工夫の連続ですが、現在の到達点をまとめてみました。

と書きましたが、きまぐれさんのスレッドのおかげで、多くの皆様のご意見も聴くことが出来て、到達点をさらに延ばせましたし、検証もできました。
さらに、脆弱な部分も見えてきて、さらに検討しなければならない課題もでてきました。
きまぐれさんのスレッドを、ながながとお借りしまして、ありがとうございます。
寒い季節になりますが、また生徒達と工夫の日々に入ります。
多くの皆様に、心から御礼を申し上げます。


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